☆☆☆☆☆(語り手・かりん)
動き回っていた家具が、ゆっくりと降りてきた。
海猫父さんから『じっとしてろ』と言われてたけど、怖くて体は動かせなかった。
他の部屋からも、ドスンとかゴトンとか聞こえる。他の部屋もこんな風になってるのかな。
海猫父さんがかけてくれた結界が消えた。一緒に避難してたくつくつは、あっという間に台所へ行ってしまった。
師匠たちが2階から降りてきた。
「…どーすんだよ、これ」
「皆さんで片付けてください。ぼくもう疲れました」
「てめぇ自分でやっといてそれかよ」
「だって仕事ですものぉ」
メジロさんは変な色をしたラムネを食べていた。顔色がものすごく悪い。
海猫父さんは居間を見回して「交代に間に合わんから、わしは外で食べるぞ。すまんが後やっといてくれ」と言って出ていった。
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