Recent Search

    persona1icetwst

    @persona1icetwst

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 58

    persona1icetwst

    DONE【ラギ監♀】夫婦ラギ監ちゃんが一緒にお風呂に入る話
    ※健全
    ※未来捏造

    良い夫婦の日と聞いて突貫で書きました。満足。

    「利害の一致~」のラギ監ちゃん夫婦↓のつもりですが単体でも読めると思います。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15771593
     今日はこの秋一番の冷え込みらしい。真冬並みの寒さになるからコートを忘れずにと、ラジオの天気予報がしきりに繰り返していた。先週防寒着を洗濯しておいてよかったと胸を撫で下ろしながら、ユウは火にかけたポトフをゆっくりとかきまぜる。
     野菜をつつきながら時計に目をやる。もうすぐラギーの帰ってくる時間だ。あとは帰ってくるまで煮込んでいればいい塩梅になるだろう。時間配分が上手くいったことに心の中でガッツポーズを決めた瞬間、タイミングよくがちゃりと玄関扉の開く音がした。
    「う~~さみぃっ! ユウくんただいまッス~」
    「おかえりなさい、ラギーさん」
     火を止めて蓋をしてから玄関に走る。転がるように飛び込んできたラギーが勢いよく扉を閉めて、カチコチに強張らせた身体をぶるりと震わせた。指先どころかぴんと立ち上がった耳の先まで凍りそうだ。真冬はもっと寒いはずだが、ついこの間まで爽やかな秋晴れが続いていたから温度差で余計に寒く感じてしまう。ずび、と音を立てて鼻を啜ると、ユウが伸ばしてきた手が冷えた頬に触れた。
    6700

    persona1icetwst

    DONE利害の一致から『結婚』したラギ監がデートする話・後編
    ※女監督生(卒業済)ユウ呼び
    ※盛大な未来捏造

    第5話・後編です。
    分けた意味がないくらい長くなってしまった。だってデートじゃん!!!!
    これで完結です。手直ししたら全文支部にあげなおしますん。

    5話前編はこちら
    https://poipiku.com/797100/4863395.html
    “本物”を超えた日 後編 見渡す限りの大草原。
     抜けるような蒼穹を貫くように聳え立つ岩の城。
     そこかしこでのびのびと暮らす、数多の動物たち。
    「わあっ…!!」
     眼前に広がる壮大なサバンナの箱庭に、ユウは思わず感嘆の声を漏らした。その場でぴょんぴょん跳びはねながら、抜けるような青空と地平が交わる草原の向こうを指差して歓声を上げた。
    「すごいすごい! 先輩ほら、あんなに遠くまで見えますよ! 広くって景色いいですね!」
    「でしょでしょ。昔この辺り一帯を治めた百獣の王の住処…を、再現したとこらしいッス。王様の部屋なんかは展示室になってるけど、それ以外の草原とかでピクニックできるんスよ」
     得意げに歯を見せて笑うラギーにユウの心も自然と浮き立つ。そして、行き先がわからないのなら動きやすい格好の方がいいのではと助言してくれた親友たちに、心の中で感謝を捧げた。
    15994

    persona1icetwst

    DONE利害の一致から『結婚』したラギ監がちょっとずつ距離を縮める話
    ※女監督生ユウ呼び ラギ監というよりラギユウ
    ※盛大な未来捏造
    これ↓↓↓の続き
    https://poipiku.com/797100/4592835.html

    自覚したようなしてないような。見えない一歩を踏み出す話。
    偽物夫婦 ラギーと『結婚』してから、およそ二ヶ月の時が過ぎた。
     『結婚』と言っても、大っぴらに公表しているわけではないし、傍から見てわかるような証を身に着けているわけでもない。知っているのは書類の保証人に名前を書いてもらった学園長と、ラギーの勤め先の数人だけ。ブッチという苗字も珍しくないようで、ユウが名乗っても特別反応を返されることはなかった。
     紙切れ一枚と、奇妙な約束だけの繋がり。それでもそれなりに穏やかにやってこれたのは、ひとえにラギーとユウが一定の距離を保っていたおかげと言える。
     つかず、離れず、踏み込まず。手の届かない不可侵の距離は何とも言えないもどかしさを感じることもあったが、非常に居心地が良かった。他人行儀だからこそ意見も冷静に伝えあえ、礼を述べるのに親しさゆえの抵抗もなく、部屋も役割もきっちり分けていたおかげで衝突はほとんどないに等しかった。かと言って不仲というわけでは決してなく、朝晩の食事は必ず一緒に摂り、たまの休日もなるべく同じ時間を共有することは、二人にとって密かな楽しみになっていた。
    9534