窓の隙間から夕陽が差し込んでいる。廊下は一日の学業から解放された学生達で賑わっていて、授業のことなんてすっかり忘れたように皆雑談に花を咲かせている。フィン達も例に漏れず、同室のマッシュと話しながらのんびりと食堂へ足を進めていた。
「あぁ〜お腹すいた」
「限界ですな」
「今日の日替わりメニューなんだろう?」
「なんだろうね。サラマンダーの唐揚げだといいね、フィンくんの大好きな」
「大好きではないよ!?いや嫌いでもないけど。兄さまがやたらと食べさせてくるだけで」
「ふぅん。フィンくん細いからねえ」
「結構食べてるつもりなんだけどなあ……ん?」
ふと、違和感を覚えたフィンが立ち止まった。
お腹の辺りが震えている気がする。
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