黒ツナギの先輩「よし、全員揃ったな。」
「「ミッ」」
ロイは若者たちのキラキラとした視線に少し苦笑いする。
約一名ぼんやりとしているが……
「キミ、このベルトはここを通さないと意味が無い。直せるか?」
「は、はいっ///」
「焦らなくていい。」
「はぃ…///」
「ツナギの着用はバイトの基本だ。他のヒトももう一度確認してくれ。」
今日は希望者だけが参加するバイトの実践演習だ。
スケジュール更新が無く、あまり収入が期待出来ない日は講師の仕事をする事がある。
普段の仕事より楽な上に収入がいい。
色々と手はかかるが。
「先輩!ツナギじゃないものを着てるヒトを見たんですが、アレは何ですか?」
「あぁ、ウェーダーか。バイトを続けていればいずれ手に入る。ウェーダーは装備が少なく身軽だが、その分危険も高くなる。それにマイクもヘッドホンも無いから連携が取りにくい。慣れないうちはツナギの方がいい。」
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