その日は先日まで降り続けていた雨などものともしないような青空が、朝から広がっていた。
「やっぱり社長と甲斐田くん、晴れ男なんじゃないですか?」
「まあ僕はなんてったって甲斐田『晴』ですからね!」
「私はあまり自覚ないですが……ただ、もしそうであるなら今日が晴れて良かったですね。大事な日ですから、今日は」
「そうですね。……ところで、ふわっちいつ起きるんですかこれ」
「……さあ……」
青塗りのオープンカーに乗り込む、とある顔の知れた四人組。運転席の甲斐田晴に、助手席の加賀美ハヤト。後部座席には剣持刀也と、その隣で未だ朝の集合時からほぼずっと寝ている不破湊。午前九時半のぱらぱらと車通りが少ない休日の中、四人を乗せた車は都内の国道を悠々と走っていた。
3370