かかなる 大幅な予定遅れもっと早くに想いを伝えていれば全てうまくいったのだろうか?
いやしかし、とカカシは首を振る。
ナルトが面と向かって別れてくれと言うのだから冗談ではなく本気なのだろう。
それでも――。カカシの願いはひとつだけ。
もう一度二人の蠟燭に火を灯してくれ。
深夜、そうっと忍び込んだ部屋でベッドの脇に立つ男はナルトの寝顔を見下ろし祈る。
予期せぬ突然の別れ。
あれからオレは道を見失ったままなんだ。
たしかにオレのせいだ。
たしかに君のせいだった。
きっとオレ達はそれぞれの道程の途中で一瞬擦れ違っただけなんだろう。それでもその一瞬を捕まえて永遠にしたくなるほどに、二人でいる時間は夕陽が沈む儚い眺めのように尊いものだった。
落ちてゆく星が消えるのは熱すぎるからだ。燃え滾る想いが二人を変えてしまった。オレは情熱を過ったのか?
1026