6月某日 新東京市内ビジネスホテル504AM5:35
半端に開いたカーテンから朝日が差し込み、セミダブルベッドに柔らかい光を落とす。
横になっていた女は目を細める。
身動ぎすれば、白いシーツに巣を張っていたウェーブの金髪がするすると動き、少し汗ばんだ首に纏わりつく。
布が擦れる音。女は裸だ。
仕切りを隔てた向こうから、蛇口を捻る音が聞こえてくる。
「朝から忙しいのね、支部長様は。」
女が寝返りを打ちながら声を掛ける。
隣で寝ていたはずの"支部長様"は、洗面所を後にすると白いワイシャツに腕を通しながらベッドの方を一瞥した。
華奢な指先が手早くボタンをかけていく。
「すぐにでも片付けたい案件が山積みなんです。」
裾をスラックスにしまい込む。
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