眠れない晶ちゃんがオーエンと夜一緒に寝るだけの話時刻は午前0時過ぎ。
魔法舎内はすっかり、しん、と静まりかえっていた。もうみんな眠っただろうか。それか、お酒を嗜む魔法使いは部屋で晩酌をしている頃だろうか。
(眠れない…)
もう大分前からこうしてベッドの上にいるが眠れず、晶は部屋を出た。目的地はキッチンだ。もしかしたらお腹を空かせた魔法使いが夜食を探しに来ているかもしれない。または道すがら誰かに会えるかもしれない。
なんとなく、晶は寂しかった。外の風と空気のせいかもしれない。今日は日本の秋頃の空気に似ている。秋のその雰囲気だけでなんとなく寂しい気持ちになるのだから本当に不思議な季節だと思う。
誰かに少しでも会いたくて、もう真っ暗な廊下を通り、キッチンを目指す。
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