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    yuruyuru_oni

    @yuruyuru_oni
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    yuruyuru_oni

    DONEある方のリクエストで書いてたごんみき。
    ふたりがこういう馴れ初めだといいなぁ、という願望ゴリゴリの一品。
    それは、檎がひと仕事終えて部屋を出た時の事だった。廊下に出ると見習いの詰める部屋からわいわいと賑やかな声がする。気になってふと覗き込むと、野干の中でもとびきり器量良しだと店に入った三兄弟が膝を突き合わせていた。
    「なんじゃあ、賑やかじゃの」
    「あっすいません!邪魔しちゃいましたか……」
     葉之兵衛とかいう名前だったか、唯一つり目の兄弟が檎に頭を下げる。その手には数枚の端切れがあった。
    「いや、構わんよぉ。……何しとるん?」
    「雛人形を作ってやろうと思って……」
    「俺たち、妹がいるんで」
    「ほーん……」
     照れ臭そうに花兵衛だったか、が笑う。雛人形を作る、ということはそこそこ歳が下の小さな妹なのだな、と思った檎だが、雛人形の着物にするにはその手の端切れは些か地味な気がした。
    「んー……。お前ら、人形の胴体こさえるまででちぃと待っとれ」
     そう言うと、檎は部屋を後にした。
     数分後、戻ってきた檎の手には煌びやかな布地が大量に握られていた。
    「ほれ、雛人形の着物にするんならこれぐらい豪勢なんがええじゃろ」
    「わぁぁぁ!すげー!」
    「えっどうしたんすかこれ!」
     わっ、と歓声をあげて三兄弟が寄 899

    yuruyuru_oni

    MOURNING去年のクリスマスに書いたごんみきSS。
    頑張るおにゃのこは大好きです。
    「ただいまー……」
     無人の自宅に響くただいまの声は虚しい。それでも、根付いた習慣は変わらないし、この言葉ひとつで張り詰めていた『アイドルの私』がパラパラと剥がれ落ちていく。
     ベッドルームに入って薄い上着を脱ぎ、ひと息。ひと月近く続いたお仕事デスマーチがようやく終わったのだ、とじわじわと実感がやって来る。
    『今年もクリスマスはぼっちかのぅ』
     ぽつりと呟いたあの人の言葉にハッとしたのが冬の始まり、そしてあの鬼畜マネとの交渉という名の戦争が始まった。
     一切仕事にNoを言わない、その代わりクリスマスに収録のある仕事は断固断る!とのこちらの要求をなんとかマネージャーに呑ませて、それからの仕事はひたすらにアレだった。
     普通の歌番組、ライブの合間に怪我してナンボレベルのえぐいロケ、落とし穴ドッキリ、マキちゃんからの寝起きドッキリ、その他その他……。
    「アイドルって何だっけ?ってちょくちょく思ったなぁ……」
     乾いた笑いが私の口角を痙攣らせる。
     それでも、私はやり遂げた。これで明日と明後日はお休みで、あのひとと初めてのイヴとクリスマスを過ごすのだ。
     仕事の合間にプレゼントも用意した。お料 920