箱の蓋を開けると甘い香りと共に、様々な形に固められ木の実や砂糖菓子で飾られた鮮やかなチョコレート達が現れる。
ウーノは丁寧に煎れたコーヒーを片手に顔をほこらばせ、それらのうちの一つを指でつまんだ。
と、その時部屋のドアがノックされたかと思うと素早く開け放たれた。
「・・・あっ・・・ごめーん、お邪魔だった?」
すまなさそうな顔をして、シエテが席に着く。
「いいや?かまわないけれど・・・、とりあえずこれを食べてしまっていいかい?」
「うん、食べて食べて」
シエテはそう言いながら机の上に様々なデザインの箱をどかどかと置く。
そして、ウーノがチョコレートを味わう様を見届ける。
全くそんなじっくり見つめる気持ちもなかったが、なぜかシエテは見入ってしまう。
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