ニンナ・ナンナ 今日は夢を見なかった。昨晩目を閉じて、それから目を開けたら世界に朝が訪れていた。なんという僥倖! あの日からほとんど毎日欠かすことなく私を苛む忌々しい夢は、珍しく頭にこびりついていなかった。今日は妻と結婚した記念の日だ。この良き日に、良き朝を迎えられたのは神の慈悲だったのだろうか。
私を起こしに来た息子に手を引かれ、リビングへ向かう。今日は自然と、微笑むことができた。
幸せが壊れるのはいつも突然だ。
夕方。私は手にした花束を取り落とした。私たち家族の団欒の間に、あの恐ろしく華やかな、畏敬すら抱く美があり、砂糖水のような甘い声で笑いながら、いつかの長閑な村で見たように画版を抱えていたからだ。少しも変わらない。あの日から時の止まった姿がそこにあった。私の、私たちの放った炎に焦がされたように、肌だけが私のそれより僅かに色濃くなっていた。
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