あなたの陽だまりになりたい『あなたを、お慕いしております』
自分を恋慕っていると、まるで吐露するように想いを吐き出した彼は、とても辛そうな顔をしていた。怯えていた。────一体、何にだろうか?
(理由も経緯も違えど、似ているのかもしれません。わたくし達は)
天霧からの告白を受けたあの日より、玉響菊花は己の内側で考えを煮詰め続け、時には他者に寄り掛かり、相談をしながら悩み続けた。
そうしていたら、結論を出した現在に至るまでに二週間近くを費やしてしまった訳なのだが。
白蛇姫からの提案と、冨子の暖かな支えと、緋姫からの力強い後押し────彼女らの言葉は、態度は、誠意は。確実に玉響菊花という一人の刀神の中で何かを変えた。若しくは、本人が気づいてすらいなかった"何か"を呼び起こした。
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