カリギュラ・ラララ カリギュラ効果、というらしい。
耳に馴染みのない言葉でも、誰しも一度は経験しているのではないだろうか。禁止されるほどやってみたくなる――例えば、「絶対に見てはいけない」と隠されれば隠されるほど、かえって見たくなる……あの心理現象のことだ。
「というわけで、不良くん! わたしにあなたの耳を見せてちょうだい!」
「何が『というわけ』だ、相変わらず脈絡の欠片もねえなあ」
「いいじゃない、耳くらい。見たからって減るものでもないし。わたしの空腹を満たしてくれるように、普段カーテンで覆い隠されている未知の世界の向こう側をのぞいてみたいと思うわたしの好奇心も満たしてよ。それに、猫をこよなく愛する某作家先生も『エロというものは出したら色気がなくなる、めくるんだよ』みたいなことを言ってたわよ。わたしに不良くんの髪をめくらせてよ」
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