ギフト仕事のほんのわずかな休憩に自転車をとめて空を眺めていたらふと母さんのことを思い出した
元気だろうか?
夢とやつを追いかけてあの街を離れた
いらねえよって言ったのに半ば強引に見送ってくれたあの春の日
俺は正直ちょっと不安だった そんな俺に「後悔だけはしちゃいけないよ」と笑顔で言葉をかけてくれた
あの時の言葉と笑顔を俺はずっと覚えているし、これからも忘れないだろう
今思えば母さんだってひとりになるのは不安だったはずだ
(この前だって電話をかけた時「いつでも帰っておいで」と耳がタコになるぐらい聞いた)
でも何かをあきらめて母さんのもとに居ることの方が母さんは悲しむだろう あの人はそういう人だ
昔からいつも母さんを泣かせた 何度も涙を流させた
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