ヴィラン連合へようこそ!説得ナイト編人生の成功者たる高額納税者が眠りから目覚めたとき、一番に目にするものとは何か。
地上より遥か上、タワーマンションの窓にさえ入る下界のネオンライトだろうか。
朝露に濡れた日本庭園の木々だろうか。
それとも………隣に眠る、最愛の配偶者の寝顔だろうか。
───少なくともこの不気味な男の顔ではないはずである。
爆豪勝己はやけに重たく感じる目を開くと、眼前いっぱいに広がる死柄木弔の真顔を見て元々大きい目を更に瞠った。
陰気な死神の顔に声こそ出さなかったが、添い寝されているという思わぬ事態に爆豪の身の内では心臓が跳ね、顔には冷や汗が吹き出る。その様子を無言で見つめていた死柄木が口を開いた。
「おはよう爆豪勝己くん………君よだれ出てるぞ………」
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