親父の卵おじや その日は、朝からなんだかおかしかった。
「……?」
パジャマを脱ぎながら拓海は首を傾げた。身体がいつもより重く感じる気がするのだ。試しに自分の額に手を当ててみるが特に熱くもない。
そうこうしているうちにイツキがいつものように「拓海ィ、迎えに来たぞ!」と騒々しくやって来たので、きっと気のせいだと思い直しそのままいつも通りランドセルを背負って登校した……ところまでは良かったのだが。
「せんせー、保健室行っても、いいですか……」
二時間目を終えたあたりで急激に悪寒が止まらなくなった。背筋がぞくぞくする。寒い。いや熱い。どっちだろう。頭がひどくぼんやりすることだけは分かる。
「——藤原くん、あなた熱があるわよ」
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