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    あたし

    牧野埴

    DONE鈴藤さんから頂いたプロットを互いにネームに起こして遊ぼう!という企画から起こしたネーム。後ろ4枚は鈴藤さんのネームです。
    好き勝手書いていたらずいぶん雰囲気が違ってしまったのですが、鈴藤さんの描く少女漫画のセンスがとても好きだったのでプロットに手を入れさせていただいてもうめっちゃ楽しかったです!!!

    鈴藤さんが私のプロットをもとにネーム描いてくださった漫画はこちら
    https://www.pixiv.net/artworks/92197538
    とても素敵な少女漫画にして下さいました ありがとうございます…成仏できます…(???)

    鈴藤さんとは全然漫画の雰囲気が違うから同じプロットからでも全然違うネームになってしまったのも楽しいというか。私のネームは字が汚すぎて読みづらいので、軽くペン入れしたらpixivのほうにアップしたいと思います~
    お誘いくださった鈴藤さんありがとうございました!


    以下元になった鈴藤さんのプロット↓

    タイトル
    ・通い路
    ・通い路〜異郷の花〜
    ・しろがね花の通い路
    ・すすきの迷路

    設定
    ・二人旅?二人行動
    ・キーワードのススキ
    花言葉は「心が通じる」
    ・リナは「あの日」で魔法が使えない日
    ・サクラコラボレーションの桜と同じく、異郷の花かもしれない、結界外かもしれない


    眼前に広がるススキ野原
    これ迂回できないの?
    迂回するにはいささか距離があるかと。
    突っ切るしかないかあ。
    抱えて飛びましょうか。
    いらない。貸しは作ってもあんたに借りは作らない。
    男女の間に合意があれば、貸しも借りも無いんじゃないですか。
    あんた男だったの。
    腹部をさする彼女は。
    (弱みを見せるのは是としない…か)
    こんな時(・・・・)くらい僕に頼ればいいでしょうに。
    そういう間に彼女はマントで頭まで覆ってススキ野原に踏み込んだ。


    リナさぁん、置いて行かないでくださいよ。どこにいるのか全然見えませぇん。
    悪かったわねっ。埋もれててっ。大体あんたは見えなくても分かるでしょっ。
    リナの背丈をゆうに超えるススキの迷路があなたを隠してしまう。
    ここ、途中に泥地とかないでしょうね。
    それはないでしょう。この植物は水はけの悪い場所では育たないらしいですから。
    詳しいじゃない。
    聞きかじりですよ。

    ゼロス。
    振り向くと忽然と姿を消すゼロス。
    彼の身長ならギリギリ頭が見えているはずなのに。
    頭を覆ったマントを解いて、周りを見渡すと、ススキの葉があたしの頬を切った。
    鋭利 

    血が出ていますよ。(・・・・・・・・)
    後ろから彼が私を包み込む。
    彼の言葉を勝手に意味深に捉えてしまい、頬が熱くなる。
    言い忘れましたけど、この花(・・・)の葉はとても鋭いので気をつけてくださいね。
    それにこんな日は(・・・・)身体を冷やすとよくないでしょう。
    そういってあたしのお腹をさすってくる。
    怒りと羞恥で耳まで赤くなってしまう。
    うるさい。こんな前も後ろもわからない迷路みたいなとこさっさと抜けるわ。
    手を振り払い歩を進めようとすると、


    そうですね。
    こんな迷路(もの)に惑ってしまうくらいなら、
    僕があなたを隠してしまいましょうか。
    ほぅ。ため息
    そうね。利害の一致だけで一緒にいるんじゃない。今を決めているのはあたし自身なんだから-。
    ま、いっか。
    彼のマントに包まれたあたしは気がつくとススキ野原を抜けていた。

    ススキの花言葉
    心が通じる
    20

    夜中に拾う

    DONE異世界FT。「あたし」の仕えるロブスターの異形頭「ロブスターヘッド」の腕が柄杓になっちゃった。
    あたしのロブスターヘッド:柄杓腕 突然の轟音と揺れに驚いて寝台から飛び降りると、廊下のほうからもくもくと煙が入ってきた。「ロブスターヘッド!」口を袖で覆いながら廊下に飛び出る。噴煙の中にジンワリと人の形が見える。ロブスターヘッドだ。
    「大丈夫ですか!」
     人影がうなずく。あたしはその影の形に何か違和感を覚えて目を細めた。
     噴煙の中には……ロブスターヘッドが立っている。
     あたしのカミさまは、右腕が柄杓の形になっていた。

     木っ端の片づけに町中の人がやってきてくれた。何が起きたのか説明を求められたが、あたしにもさっぱりだった。ロブスターヘッドは姿を消し、町の人曰く、書庫のほうに行くのを見ましたよとのこと。かれなりの対処法があるのかもしれないと、そこは放っておいて、あたしは爆発の規模を見た。神殿の廊下で起きた爆発。作りの頑丈な石の神殿そのものには影響はなかったけれど、廊下の壁沿いに備わっていた、木で作られた棚が木っ端みじん。二十年前に町の人が手作りしてくれたものらしい。せっかくの良い棚がねえ。とみんなが残念がるので、あたしはとりあえず新しいのを作ってくださいと木工職人の息子に頼んでおいた。それがすぐにみんなに伝わってみんなは喜んでいた。やれやれ。
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