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    ありがとうございます

    koh_noma

    MOURNING先月、素敵な风情企画があり、そこに投げたかったのですが、うーん趣旨と合わないんじゃね?と思い、投稿を断念したものです……
     まぁ、せっかく書いたしなぁ〜ということで供養。
     見つけてくださってありがとうございます。
     
     恋心を自覚すると、慕情は逃げようとする、風信は腹をくくる、そんなふうに私は思っています。
    繍球、転がる 仙楽国は滅び、亡国の皇子となった謝憐と、その従者二人を取り巻く事態は坂道を転がり落ちるかのように悪化の一途を辿っていた。
     日々の暮らしは困窮していく一方で、一筋の光も差さない暗闇を歩くかのような毎日に、一行の心は少しずつ、だが、確実にすり減っていった。
     このときの謝憐は、そもそも出口があるのかもわからない迷路を彷徨うような気持ちだっただろう。
     そして、当然、慕情にも漠然とした不安が常に付き纏っていた。
     
     だが、このような状況だからこそ、少しの幸運に心を躍らされ、美しいもの、愛らしいものを素直に愛でることが大事なのだと、そう思うのだ。
     慕情は、はたと足を止めると、少し遠くを見つめた。

     だが、先を急いでいるのに、後ろに続く足音が途絶えたことに苛立ったのだろう。不機嫌さを隠そうともせず、風信が問いかけた。
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    summeralley

    DONE15話も書くつもりじゃなかったんだけど、ナメのイチャイチャも、バーもカクテルも書けて楽しかった! 読んでくださった方、ありがとうございます。そのうち全員分の番外を書いて、できれば本にもしたい。
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて(終)/15ライム入りトニックウォーター 送別会シーズンの忙しさも落ち着き、バー『Veil』へは通常の雰囲気が戻ってきていた。とはいえ日曜の夜は、それなりに賑やかだ。繁華街に面した窓は閉まっていて、外の音は聞こえないはずなのに、浮かれた人々の喧騒が店内にまで届いてくる心地がする。
     カウンターの花瓶には、デンデが育てた青い花が飾られていた。かすみ草の白に囲まれて、雲の中に漂っているように見える。
     「悟飯さん、フレーバーは何にしますか?」
    「バニラと……デンデに任せるよ、その方が間違いないから」
    「バニラなら、カルダモンかな? 準備しますね」
     僕の前まで水煙草を持ってきて、デンデが炭を熾こしてくれる。はじめの頃に比べて、すっかり迷いのない手付きだった。忙しい週末は手織りのカーテンに覆い隠されていた水煙草も、デンデが扱えるようになったため、今は見える位置に堂々と置かれている。
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