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    あんた

    アロマきかく

    DONE某日誌4より。

    おっかしいなぁ…書きたかったところ一切書けてない…
    何はなくとも一旦絶望のズンドコに叩き落とすのがね、好きなんでね、もうそれだけでいっす。
    そーいや、なんだかんだで最初の犠牲者あんただったな。


    再挑戦押すの早くてよかったね。
    円満退社 肌を、髪を、やや乱暴に風が撫ぜる。

    「う……」
     どこかの壁にもたれかかるようにして、気を失っていたようだ。

     違和感。

     風?
     ただの風ではない。鼻をくすぐるそれは、知らないはずなのに知っている。
     それが再び、大きく髪を薙いだ。

     潮の香り。



     一瞬にして顔から血の気が引く。

     やらかした。畜生、やらかした。

     直前の映像がフラッシュバックする。
     ジュースの自動販売機のような筐体と、その両脇に立つ、人ほどの大きさもあるエビ。
     『蓋の空いたウェルチアース』の作業をしていた。
     本能作業だっけか、洞察作業だっけか。作業の相性としては悪くなかったはず。

     記憶の蓋のほうは、なかなか開かない。
     ただ解るのは、作業結果が良くなかったこと。がこん、と収容室に響く音を立てて出てきたソーダの缶。既に蓋は開いていた。己の意思とは裏腹に、足が筐体の前へ。光るネオンサイン。自分の手が、蓋の開いたソーダの缶を握る。耳の奥から頭の中まで揺らす、アップビートの音楽。
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