Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    える

    みかんづめ

    DONE2024/6/16 某所より再掲
    恐らく一番最初に書いたノア皇。今考えると若干解釈違いな所はありますが、これもまた思い出なのでそのまま載せちゃいます。皇紀さんに舌の厚さを知られる話。
    舌品料理「こんにちはー。宗雲さんいらっしゃいますか?ちょっと渡したい資料があって……」
    夕方ごろ、まだ開店前のウィズダムに行けば目当ての人物はなく。代わりに颯さんがひらひらと手を振りながら「ノアさんだ!いらっしゃーい!」と屈託の無い笑顔で出迎えてくれた。
    「宗雲に用事?ごめんねー、もうちょっとしたら戻ると思うんだけど」
    「そうですか……では、そちらの席で待たせてもらっても?」
    「もちろん!あ、僕開店準備の続きしなきゃ。お構いできなくてごめん」
    「いえいえ、むしろ僕こそ忙しい時間に来ちゃってすみません。準備、なにか手伝うことありますか?」
    「ノアさんはお客様だもん、だいじょーぶ。それじゃっ、ゆっくりしてて!」
    文字通りはやての如く駆けていく颯さんを見送りつつ、カウンター席に座る。僕には少し高すぎるくらいのその椅子は、座ると余裕で足が浮く。ラウンジから見えるビル群と沈みゆく夕陽をぼんやりと見つめている。さすが高級ラウンジだなあ、なんて思っていたからか、はたまた別の理由か―――――僕は、近づいてきた人物に全く気付かなかった。
    2078