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    じぇる

    _aonof

    PROGRESSヤの夏×バーテンダー夢主。
    のまれる2話。「フォーリンエンジェル」
    「や、こんばんは」
    チンピラの事件から一週間後、来店したあの男がそう声をかけてきたのに、俺は目を見張ってから、微笑むと男に近づく。
    「いらっしゃいませ。また来ていただいたんですね」
    「そう約束したからね」
    約束のつもりはなかったが、律儀な性格らしい。
    あれから、チンピラたちは姿をあらわしていない。本当にこの人が何かしたんじゃないだろうな、と一瞬疑って、普通の人間にそんな真似が出来るわけないかと、思考を振り払った。
    「今日は混んでるようだね。君を独り占めするわけにはいかなさそうだ」
    「ご贔屓にしていただいて嬉しいです。カウンターへのご案内でよろしいでしょうか」
    「もちろん。今日は他のバーテンダーも居るんだね。でも差し支えなければ君にシェイカーを握ってほしいけど、良いかい?」
    「かしこまりました」
    前回のいっぱいで口留めになっているはずとはいえ、どうにも立場が弱い。承諾して俺は、珍しくバーテンダーとして入ってるオーナーの横を通り過ぎる。
    「気をつけろ」
    そう囁かれて足を止めた。
    「カタギじゃねえ」
    「え?」
    オーナーがそう判断するなら本当だろう。前回のいくつかの台詞の理由も納得できる。足を 3070