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    できるかな

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEネオゲ。終戦記念日なので急ぎでもなにかそれっぽい話を書いておきたかった。

    ネオゲの竜馬研究所離脱には原典知ってからずっと不思議に思っていたのでサウンドドラマからと、この辺の理由なら納得できるかなぁの穴埋め兼ねて。
    原典は両作品ともこの辺とても気を使って描いていたことと、DQ11をプレイした時の「美談とするには 残酷すぎます」というあるNPC会話が印象に残っていて。
    ■ 同じ風が吹くじいじいと、幾つも重なる蝉の声が夏の青空の下に響く。
    昇りきってはいなくとも夏の日差しは眩しく、研究所を眺める高台に立つ小さな墓標が草むらに影を落としていた。
    その下には僅かばかりの機体の残骸が眠る。

    五年前。武蔵はゲッター1と共に消えた。消えた、というには生温い、壮絶なゲッター炉心の爆発と共に。文字通り骨のひとかけも残さず。
    彼が記憶の他に残したものは研究所に残された遺品ほどで、遺族へそれらを返せばそんなものしか残らなかった。
    けれど、竜馬と隼人にはそれが一番武蔵の魂を知っているような気がした。


    「よう、武蔵」
    済まなかったな、しばらく顔出さなくてよ。

    風呂敷包みと水の入った一升瓶を携え、竜馬がそこを訪れたのは盆も終わる頃だった。
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