よろず屋
mitumints
PROGRESS3/17のイベントの新刊予定。途中まではアップする予定です。
キョンシーになったニキを拾ったマヨイが、一緒に暮らしつつよろず屋をしたり、ニキを人間に戻すために頑張ったりする話。
ニキマヨ キョンシーパロ『阿瑠果堂奇譚』 邑を囲う城壁の西といえば、まともなものならば近づかない。
日当たりも悪くいつも湿っていて、ここに居着く者はそこしか選ぶことができない者か後ろ暗いことをしている者だけだ。
まだ日は高いはずなのに、どこか陰気な雰囲気が漂い、近寄るものを拒んでいた。
(……思えば……最初から嫌な予感しかしませんでした……)
依頼文を握りしめたマヨイは、目の前の光景を前に立ち尽くしていた。
年の頃は10を半ば過ぎた頃。
紫色の長い髪を緩く三つ編みにまとめた色白の青年は流れるような艶を含んだ目元と口元の黒子が特徴的な美丈夫だった。
髪より濃い紫の飾り気のない長袍と白い褲を履いた姿はどこにでもいる普通の民と思えた。
それもそのはず、彼はれっきとしたこの町の一員で、通りに古びた店を開け、よろず屋の仕事を一人でこなしている。
11029日当たりも悪くいつも湿っていて、ここに居着く者はそこしか選ぶことができない者か後ろ暗いことをしている者だけだ。
まだ日は高いはずなのに、どこか陰気な雰囲気が漂い、近寄るものを拒んでいた。
(……思えば……最初から嫌な予感しかしませんでした……)
依頼文を握りしめたマヨイは、目の前の光景を前に立ち尽くしていた。
年の頃は10を半ば過ぎた頃。
紫色の長い髪を緩く三つ編みにまとめた色白の青年は流れるような艶を含んだ目元と口元の黒子が特徴的な美丈夫だった。
髪より濃い紫の飾り気のない長袍と白い褲を履いた姿はどこにでもいる普通の民と思えた。
それもそのはず、彼はれっきとしたこの町の一員で、通りに古びた店を開け、よろず屋の仕事を一人でこなしている。
Hotaru_Higure
DONE新作登場人物紹介2掲載予定『フリージアで、さよならを』のキャラ立ち絵が続々とできていますので、また軽く紹介を!
一枚目:キャンデル
燭台の異形頭。口が悪いけど面倒見はいい。愛称が可愛らしくてニガテ。
二枚目:ネロ
フレイに拾われた捨て化け猫。よろず屋に一緒に住んでいる。 2
まゆり/縞ユリ
DOODLE暑中お見舞い申し上げますよろず屋店主は義足なので泳げません
海に行く時は浮き輪持参ですが、本人は別に恥ずかしいとも思いません。
それどころかバナナボートや白鳥ボートに乗ってはしゃぐ大人です。38歳です。
Na0
PROGRESS2021年夫婦の日に合わせて始めた、ハテノで夫婦になった二人の話の続き。やっとメインストリートのよろず屋さんまで。終わりは見えてるので、不定期ですがすすめていきます🙏(ハテノのNPCさんの個人的な解釈が入ります。ご注意ください。)それはきっとあなたとおなじ(仮) 34
「おーい!」
タチボウを見送って、すぐ。次に二人を呼ぶ声は、風に運ばれてきたほがらかな少女の物だった。目が合うと、ぱっと笑顔が輝き、大きく手を振ってくる。アイビーだ。
村のメインストリートに、大きな壺の形の看板が目印の店があった。よろず屋イースト・ウィンド。それが彼女の実家だ。
食料品から店主自慢の鏃まで扱うその店は、村人から農産物を買い取り商いをしていた。村人は手にしたルピーで、肉など自給自足では得られない物を買うための足しとする。村人と村人の物々交換では損益や諍いが出る所を、間に入る形にもなっていた。
そんな村になくてはならない場所を、看板娘とはいえ毎日毎日。雨が降らなければいつも掃き掃除をしながら、往く人にかいがいしく声をかける。
1962「おーい!」
タチボウを見送って、すぐ。次に二人を呼ぶ声は、風に運ばれてきたほがらかな少女の物だった。目が合うと、ぱっと笑顔が輝き、大きく手を振ってくる。アイビーだ。
村のメインストリートに、大きな壺の形の看板が目印の店があった。よろず屋イースト・ウィンド。それが彼女の実家だ。
食料品から店主自慢の鏃まで扱うその店は、村人から農産物を買い取り商いをしていた。村人は手にしたルピーで、肉など自給自足では得られない物を買うための足しとする。村人と村人の物々交換では損益や諍いが出る所を、間に入る形にもなっていた。
そんな村になくてはならない場所を、看板娘とはいえ毎日毎日。雨が降らなければいつも掃き掃除をしながら、往く人にかいがいしく声をかける。