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    アヌビス

    珊瑚77

    DONE3/26 ながいきのかみさま

    ショタオニから始まるホルセト。
    転生ホルス(幼稚園児のすがた)・はっきりした記憶はないが何かを感じている。
    叔父様・日本でアヌビスと暮らしている。現代まで神様のまま顕在。

    残念ながら本日は準備号で幼少期の遭遇までです。すみません……!
    ここから小学生→中学生→高校生→結婚 と愛を育みます。
    書き上げたらこちらとピクシブで公開する予定です。
    空の記憶 ホルスには、繰り返し見る夢がある。


     ぐらぐらと揺れる視界の中で、ホルスは、ひと目でいいから砂漠が見たいと、切に願っている。足を引きずって歩くホルスの周りには、植物の根のようなものと瓦礫がたくさん散らばっていて、前に進むことすら、容易ではない。瓦礫の隙間を抜けて何とか外に這い出ると、壊れかけた神殿の柱が見えてきた。その先に広がっているのが、夕焼けに照らし出されて緋色に輝く、エジプトの砂漠だ。
     ホルスは一つ息を吐き、その美しさに、ただただ感嘆するしかない。

     愛しいと、思う。
     この光景を、忘れたくないと、願う。

     だけど限界を超えた身体はもうそれ以上動かなくて、ホルスは崩れた柱の根本に座り込み、そこに背中を預けて、愛しい砂漠を見つめ続けた。
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