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    アーサー

    まさよし

    DONEアサオズ 現パロです 孤児のアーサーを幼い頃から育てているオズ という感じです ハロウィンの話
     ハロウィンという行事については、アーサーも詳しくはないが知識として知っていた。しかし、自分には関係のないことだと思っていた。ハロウィンでは子どもが街を歩き大人にお菓子をねだり、それがもらえなければいたずらをするのだと、そう聞いていた。アーサーは今年高校に進学した。この歳で街を歩き目についた大人にお菓子を要求して回る、というのは微笑ましいお祭りごとではなく、通報待ったなしの迷惑行為だろう。お菓子をねだられる側にしても、近所に子どもはほとんど住んでいないからおそらく会うこと自体がない。つまりどちらにせよ、アーサーにとってハロウィンは自分とは無縁の行事だった。
     けれど、ハロウィン当日、クラスの女子生徒がアーサーにお菓子を要求してきた。例のまじないのような台詞を口にした女子は、すでに幾人かに声をかけたのだろう、手にお菓子の入ったビニール袋を提げている。アーサーは学校にお菓子を持ってきてなどいなかったので、それを正直に告げると、髪にヘアピンをつけられた。これがいたずらだと言う。そのあとすぐヘアピンは回収されたので、アーサーにとってハロウィンは女子から一瞬ヘアピンをつけられる行事となった。
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