カロ
雪雨風樹
DOODLEつい最近完成させた「鏡音リン・レン誕生祭」のイラストとなります☆(^_^)ゞ実を言うと、リンちゃんを描いたの何年かぶりだったりします(^^)
レンくんは何ヵ月かぶりかな?
とにかくこの二人ボカロキャラの中で断トツ大好きなんです😆💕
ものすごく苦労しましたが、アナログとデジタル両方でどうにか仕上げたので大満足です💕(≧▽≦)💕 4
このえ@faciletrip
DONE『あいにゆく』ティアサガ/ケイトさん
かろうじてファー付きの赤い外套と色合い(服が緑色)でクリスマス感は出せたかなと。
描いていて思ったのが、ジークさんと会話する時って、ケイトさんから話を切り出すパターンが多いような…? なので、タイトルのような事もやってのけるのかな、と思ったりしました。
ハラミ
DOODLEメリークリスマス!!時間足らずでコンセプトが謎になってしまった。ミニキャラでポップにしたかったが、方向転換して水彩でほわほわさせてみた。もうちょっとで休みに入るから作画カロリーの高い性癖年賀状絵描きたい!!suponji_zo
DONEイーガ団(手のみ)×シド。🍌🦈激しくバナナを食べさせられてるだけなので別に🔞ではないですが🦈が装飾外してたり赤面強めの受け顔のため念の為ワンクッション。
手は縛られてるんじゃなかろうか🤲
jako_ji
DONEロダ塔まとめ2世界観共有型一次創作企画『ロンダールの逆さ塔』
https://twitter.com/T_o_Rondale
X投稿作品まとめ
お借りしております(登場順)
TK19さん宅 ダシオン教授
伽藍さん宅 オックス教授/トバリ君
ねぎのこさん宅 カロンさん
黒豆さん宅 ライラ教授
もけさん宅 スレイス君
らっこさん宅 フューメ君 29
jako_ji
DONEロダ塔まとめ1世界観共有型一次創作企画『ロンダールの逆さ塔』
https://twitter.com/T_o_Rondale
X投稿作品まとめ
お借りしております
はるもちさん宅 牢樹さん
TK19さん宅 ダシオン教授
ねぎのこさん宅 カロンさん
伽藍さん宅 トバリ君/オックス教授
もけさん宅 スレイス君 37
11SIA11
DONEヴォーカリストのボカロ曲パロ①「牙を出し叫べ ずっきゅんだ あたしは噛み付いたら離さないにゃ」のアニマルなレオくん
2枚めはフォントを使用してそれっぽくしたやつです。
🐱にゃーお うーにゃお
とMBでレオ様が歌う幻聴が聞こえる…
次は「もう無理なんて悪い子だね」な☕を書きたい… 4
にこみ春樹
DOODLE『どうでもいいけどマカロン食べた~い』脳漿炸裂ガールのカバーはりぷれいが一番スキダナ。りぷれいのオリジナルはdete lineがむちゃくちゃスキ。
今年線画おやすみモードなんだよね、きっとね笑 2
icizer0
DONEまほしめ開催おめでとうございます!12/24の23時ごろまで、ネップリ(ファミマかローソン)よろしければ
ブラネロ2種、ブラッドリー・ネロ単体の4枚あります。
id:92E5U8WLU7
karanoito
PASTユリ→カロ←フレ分けられない物〜そして君はいなくなった〜
「君ばっかり狡いじゃないか」
ナム孤島の夕焼け空の下、ユーリとカロルの前で口を尖らせ、フレンは軽く親友を睨んだ。
ユーリはフレンのほしいものばかり見つけては取って行く。食べ物も剣も人も好んだ物全部、既にユーリの手中にある。
お互い半分に分け合っていた昔はそれでよかった。
分けられない物はユーリに譲っていた。
年を重ね、譲りたくないものが出来て、半分こは駄目になった。
「もう譲るのは嫌なんだ、今だって楽しそうに一緒に仮装して……」
「いや、罰ゲームだからなこれ」
「ユーリがジュディスに負けたからでしょ、ボクはただの巻き添えだもん」
「連帯責任だ」
冷静にユーリがツッコミを入れるがフレンの耳には入らない。
1120「君ばっかり狡いじゃないか」
ナム孤島の夕焼け空の下、ユーリとカロルの前で口を尖らせ、フレンは軽く親友を睨んだ。
ユーリはフレンのほしいものばかり見つけては取って行く。食べ物も剣も人も好んだ物全部、既にユーリの手中にある。
お互い半分に分け合っていた昔はそれでよかった。
分けられない物はユーリに譲っていた。
年を重ね、譲りたくないものが出来て、半分こは駄目になった。
「もう譲るのは嫌なんだ、今だって楽しそうに一緒に仮装して……」
「いや、罰ゲームだからなこれ」
「ユーリがジュディスに負けたからでしょ、ボクはただの巻き添えだもん」
「連帯責任だ」
冷静にユーリがツッコミを入れるがフレンの耳には入らない。
karanoito
PASTユリカロ 現代パロ文字通り敗北宣言
……非常に緊迫していた。
壁際に追い込まれ、睨み付けるカロルに、壁に手を付いて見下ろすユーリは後には退けなくなっていた。
部屋の中に仄かに漂う食べかけの甘いケーキの匂いが、今日がクリスマスだと思い出させる。
ついさっきまであんなに穏やかに喋ってたのに。
ユーリのバイトが終わった後、約束通りケーキを食べようと部屋に呼んだまではよかった。ケーキのイチゴをつついては、今日も寒かったね、等と他愛ない会話を交わして微笑ってた。
それがちょっとした事で険悪になり、食べるのも途中に、帰る。とカロルは席を立って玄関に向かってしまった。
へそを曲げたカロルと押し問答の末、引き止めようとして今に至る。
809……非常に緊迫していた。
壁際に追い込まれ、睨み付けるカロルに、壁に手を付いて見下ろすユーリは後には退けなくなっていた。
部屋の中に仄かに漂う食べかけの甘いケーキの匂いが、今日がクリスマスだと思い出させる。
ついさっきまであんなに穏やかに喋ってたのに。
ユーリのバイトが終わった後、約束通りケーキを食べようと部屋に呼んだまではよかった。ケーキのイチゴをつついては、今日も寒かったね、等と他愛ない会話を交わして微笑ってた。
それがちょっとした事で険悪になり、食べるのも途中に、帰る。とカロルは席を立って玄関に向かってしまった。
へそを曲げたカロルと押し問答の末、引き止めようとして今に至る。
karanoito
PASTユリカロ 吸血鬼パロよるのなみだ
熱い吐息は指先を舐めるばかりで、決して牙を立てようとしない。
何ら変わらない「食事」の時間、それがユーリには物足りなくなっていた。
牙を突き立て、血を貪っても構わない──何度ユーリがそう申し立てても、カロルは頑として頭を縦に振らない。
吸血鬼に血を吸われて屍人になった者や、最悪死に至らしめた前例がある限り、カロルの主張は覆らないのだろう。根は臆病だが頑固だから。
「……んっ……う……」
紅く火照った頬を、差し出した指とは反対の手でゆっくり撫でながら聞くカロルの喘ぎ声にも慣れた。
自傷のナイフのひやりとした冷たさも、血の味のするキスも、カロル相手なら全て愛おしい。
愛しいからこそもっと近づきたいと、直に吸血される事を望んでいる。
1615熱い吐息は指先を舐めるばかりで、決して牙を立てようとしない。
何ら変わらない「食事」の時間、それがユーリには物足りなくなっていた。
牙を突き立て、血を貪っても構わない──何度ユーリがそう申し立てても、カロルは頑として頭を縦に振らない。
吸血鬼に血を吸われて屍人になった者や、最悪死に至らしめた前例がある限り、カロルの主張は覆らないのだろう。根は臆病だが頑固だから。
「……んっ……う……」
紅く火照った頬を、差し出した指とは反対の手でゆっくり撫でながら聞くカロルの喘ぎ声にも慣れた。
自傷のナイフのひやりとした冷たさも、血の味のするキスも、カロル相手なら全て愛おしい。
愛しいからこそもっと近づきたいと、直に吸血される事を望んでいる。
karanoito
PASTシュヴァーン&カロル一人じゃないよ
下町は眠りについていた。
トイレに行く、と言ってこっそり抜け出して来たもののどうやって帰ろうかカロルはあぐねていた。
幼少の二人に絆されて泊まっていく約束をしたはいいが、いつ"戻る"のか気がかりで落ち着かない。
ふとした拍子にカロルは追憶のザーフィアスに迷い込む。いつ入り、出て行くのか法則は掴めないからただその時が来るのを待つしかなかった。
フラフラしている間に戻ってればいいのに、と適当に選んだ路地を曲がる。
「……」
人がいる。血生臭い空気を纏い、ゆっくりとこちらを振り返った顔は、よく知ったレイヴンだった。
「レイヴン……」
「……?」
緑眼の片側が隠れ、濁った瞳が不可解に細められた。ザーフィアスにいるのは騎士のシュヴァーンで、レイヴンだけど違う。
888下町は眠りについていた。
トイレに行く、と言ってこっそり抜け出して来たもののどうやって帰ろうかカロルはあぐねていた。
幼少の二人に絆されて泊まっていく約束をしたはいいが、いつ"戻る"のか気がかりで落ち着かない。
ふとした拍子にカロルは追憶のザーフィアスに迷い込む。いつ入り、出て行くのか法則は掴めないからただその時が来るのを待つしかなかった。
フラフラしている間に戻ってればいいのに、と適当に選んだ路地を曲がる。
「……」
人がいる。血生臭い空気を纏い、ゆっくりとこちらを振り返った顔は、よく知ったレイヴンだった。
「レイヴン……」
「……?」
緑眼の片側が隠れ、濁った瞳が不可解に細められた。ザーフィアスにいるのは騎士のシュヴァーンで、レイヴンだけど違う。
karanoito
PASTユリカロ一緒に暮らそう
凛々の明星を作って、何となくうやむやになっていた拠点。雪溶けの街、オルニオンが出来てそこを中心に活動していた。話し合うまでもない、と思っていたある日、
「なぁ、オレらのギルドの拠点ってココでいいんだよな」
依頼の無い昼下がりに、三人と一匹が居間に集まってお茶を飲んでいた時、ユーリがポツリと呟いた。
拠点なんて何処でもいいと、一番気にしない人物からそんな言葉を聞くとは。
そうね、と事も無げに答え、ジュディスがティーカップを優雅に口に運ぶ。ラピードは興味なさそうにソファの足元で欠伸をしている。
「だよな」
「どうしたの、ユーリが突然そんな事言い出すなんて熱でもあるんじゃ」
「オルニオンって新しく出来た街だよな。実質、オレらが造ったと言ってもいい」
919凛々の明星を作って、何となくうやむやになっていた拠点。雪溶けの街、オルニオンが出来てそこを中心に活動していた。話し合うまでもない、と思っていたある日、
「なぁ、オレらのギルドの拠点ってココでいいんだよな」
依頼の無い昼下がりに、三人と一匹が居間に集まってお茶を飲んでいた時、ユーリがポツリと呟いた。
拠点なんて何処でもいいと、一番気にしない人物からそんな言葉を聞くとは。
そうね、と事も無げに答え、ジュディスがティーカップを優雅に口に運ぶ。ラピードは興味なさそうにソファの足元で欠伸をしている。
「だよな」
「どうしたの、ユーリが突然そんな事言い出すなんて熱でもあるんじゃ」
「オルニオンって新しく出来た街だよな。実質、オレらが造ったと言ってもいい」
karanoito
PASTユリカロ←フレ 天使と悪魔パロ再会と挑発
「カロル!? 天界に戻っ……」
仕事で地上に降りてきたフレンが、カロルに近付こうとして見えない壁に弾かれて尻餅をつく。カロルは駆け寄りたいがそれは出来ない。天使と悪魔は近付くと相反する力がぶつかり合って、お互い苦痛を伴い弾かれるからだ。
つい最近まで仲間だったカロルの姿を見つけ、思わず近寄ってしまったが、やはり無理だった。
「フレン、大丈夫!?」
心配そうに声を張り上げてくれる。心優しい所は以前と変わらないが、容姿はガラリと様変わりしていた。
右目を隠すように前髪を下ろし、黒一色の衣装に身を包んでいる。
ほとんど露出の無かったダボついた服から一転して、羽織っただけの黒革のジャケットに短パン、腕にロンググローブ、足にはお揃いのロングブーツを履いている。
1399「カロル!? 天界に戻っ……」
仕事で地上に降りてきたフレンが、カロルに近付こうとして見えない壁に弾かれて尻餅をつく。カロルは駆け寄りたいがそれは出来ない。天使と悪魔は近付くと相反する力がぶつかり合って、お互い苦痛を伴い弾かれるからだ。
つい最近まで仲間だったカロルの姿を見つけ、思わず近寄ってしまったが、やはり無理だった。
「フレン、大丈夫!?」
心配そうに声を張り上げてくれる。心優しい所は以前と変わらないが、容姿はガラリと様変わりしていた。
右目を隠すように前髪を下ろし、黒一色の衣装に身を包んでいる。
ほとんど露出の無かったダボついた服から一転して、羽織っただけの黒革のジャケットに短パン、腕にロンググローブ、足にはお揃いのロングブーツを履いている。
karanoito
PASTユリカロ 吸血鬼パロよるの不安
朽ちかけた廃屋の中でユーリは息を飲み、立ち尽くした。埃っぽい薄闇には生臭い匂いが充満し、何かを啜る音だけが静かな空間を支配する。
入口で立ち尽くすユーリに無邪気な顔が振り返った。
「ユーリ? どうしたの」
カロルはいつもの笑顔で近づいてくる。腐敗した屍肉がぬちゃり、と床に崩れ、流れ出した血の匂いが一層濃くなった。
半月の下に血に塗れたカロルの顔が映し出される。「食事」を終えた吸血鬼(カロル)をいつものように迎える気は、今は起こらなかった。
酷い匂いは鼻を押さえても遮れなかった。
ユーリの様子に気付いて、少し傷ついた風に足を止め、カロルは赤いスカーフで口元を拭った。
「あんなに食事しろって、口を酸っぱくして言ってたのに、やっぱり怖がるの?」
1733朽ちかけた廃屋の中でユーリは息を飲み、立ち尽くした。埃っぽい薄闇には生臭い匂いが充満し、何かを啜る音だけが静かな空間を支配する。
入口で立ち尽くすユーリに無邪気な顔が振り返った。
「ユーリ? どうしたの」
カロルはいつもの笑顔で近づいてくる。腐敗した屍肉がぬちゃり、と床に崩れ、流れ出した血の匂いが一層濃くなった。
半月の下に血に塗れたカロルの顔が映し出される。「食事」を終えた吸血鬼(カロル)をいつものように迎える気は、今は起こらなかった。
酷い匂いは鼻を押さえても遮れなかった。
ユーリの様子に気付いて、少し傷ついた風に足を止め、カロルは赤いスカーフで口元を拭った。
「あんなに食事しろって、口を酸っぱくして言ってたのに、やっぱり怖がるの?」
karanoito
PASTユリカロ 天使と悪魔パロボクが悪魔を堕とした日
出会いは偶然、でも近づいたのはボクの方。
*
黒くて長い髪を地面に広げ、彼は横たわっていた。赤黒い羽根はほとんどが塵と化して、見る見る間に霧散していく。
遠目にしか見たことが無い悪魔だ。意識は無いみたいで、天使が近づいても指一つ動かさない。
恐る恐る近づき、手を伸ばすと壁のようなものが行く手を阻んだ。相反する存在を拒んで、天使と悪魔の間に出来るバリア。
ぐん、と魔の気が押し寄せて心地悪い。吐き気が込み上げる。
「……ねぇ、生きてるの?」
尋ねても返事は無い。カロルが手を引っ込めようとした時、僅かに肩が揺れ、指が動いた。
生きてる、救けなきゃ……そもそも悪魔に天使の力で癒せるの? 却って悪化させるんじゃ……?
1756出会いは偶然、でも近づいたのはボクの方。
*
黒くて長い髪を地面に広げ、彼は横たわっていた。赤黒い羽根はほとんどが塵と化して、見る見る間に霧散していく。
遠目にしか見たことが無い悪魔だ。意識は無いみたいで、天使が近づいても指一つ動かさない。
恐る恐る近づき、手を伸ばすと壁のようなものが行く手を阻んだ。相反する存在を拒んで、天使と悪魔の間に出来るバリア。
ぐん、と魔の気が押し寄せて心地悪い。吐き気が込み上げる。
「……ねぇ、生きてるの?」
尋ねても返事は無い。カロルが手を引っ込めようとした時、僅かに肩が揺れ、指が動いた。
生きてる、救けなきゃ……そもそも悪魔に天使の力で癒せるの? 却って悪化させるんじゃ……?
karanoito
PASTユリカロ怪我にご用心
宿の食堂で、はい、とカロルがスプーンを差し出し、レイヴンの口に運んだ。 咀嚼して飲み込む合間に自分も食事を進める。
「おいし♪」
「本当? よかったー」
レイヴンが頷いて微笑み、カロルは安心したように頬を緩めて笑った。二人でニコニコと笑い合ってる様は親子か夫婦のそれにソックリだった。
その仲良し加減にあてられて、向かいに座るユーリが動いた。
「……おっさん、オレが食わしてやるよ。こっち向け」
ほらよ、とフォークをレイヴンの目の前に突き出した。フォークの先に突き刺さってるのはどう見ても、レイヴンの嫌いなホットケーキ。わざとらしい嫌がらせに顔をしかめた。
「あのねぇ、青年……」
「ユーリ、レイヴン甘い物はダメだってば」
1564宿の食堂で、はい、とカロルがスプーンを差し出し、レイヴンの口に運んだ。 咀嚼して飲み込む合間に自分も食事を進める。
「おいし♪」
「本当? よかったー」
レイヴンが頷いて微笑み、カロルは安心したように頬を緩めて笑った。二人でニコニコと笑い合ってる様は親子か夫婦のそれにソックリだった。
その仲良し加減にあてられて、向かいに座るユーリが動いた。
「……おっさん、オレが食わしてやるよ。こっち向け」
ほらよ、とフォークをレイヴンの目の前に突き出した。フォークの先に突き刺さってるのはどう見ても、レイヴンの嫌いなホットケーキ。わざとらしい嫌がらせに顔をしかめた。
「あのねぇ、青年……」
「ユーリ、レイヴン甘い物はダメだってば」
karanoito
PASTフレ+ユリ&カロどんな顔したらいいか、分からなくなる
橙色の鮮やかな鎧が音も立てず軽やかに、通り過ぎて行った。
……今の、もしかして。
カロルが振り返ると、もう人影は道の向こうに消えて、見えなかった。
「ねぇ、ユーリ」
下町を案内してくれるユーリは、まだ背丈がカロルより僅かに低い。その幼い手を取って引っ張る。
「あれって、騎士団の……シュヴァーン隊長?」
途端にユーリの顔が曇り、忌々しげに舌を鳴らす。そうだよ、と正反対に幼いフレンは目を輝かせた。
「帝都の外でも有名なんだね! シュヴァーン隊長はすごいなあ」
「……あんな奴の話すんなよな」
「ユーリ、あんな奴だなんて失礼だろ。シュヴァーン隊長は下町だからって差別しないじゃないか、あの人は他の騎士とは違ういい人だよ」
1458橙色の鮮やかな鎧が音も立てず軽やかに、通り過ぎて行った。
……今の、もしかして。
カロルが振り返ると、もう人影は道の向こうに消えて、見えなかった。
「ねぇ、ユーリ」
下町を案内してくれるユーリは、まだ背丈がカロルより僅かに低い。その幼い手を取って引っ張る。
「あれって、騎士団の……シュヴァーン隊長?」
途端にユーリの顔が曇り、忌々しげに舌を鳴らす。そうだよ、と正反対に幼いフレンは目を輝かせた。
「帝都の外でも有名なんだね! シュヴァーン隊長はすごいなあ」
「……あんな奴の話すんなよな」
「ユーリ、あんな奴だなんて失礼だろ。シュヴァーン隊長は下町だからって差別しないじゃないか、あの人は他の騎士とは違ういい人だよ」
karanoito
PASTユリカロこれだけは何があっても譲れません(笑)
「……カロル」
「言い訳なんか聞きたくないからね」
野営のテントの中でカロルは頬を膨らませている。
眉をつり上げて、まだまだ怒りは収まる様子は無い。カロルがこれだけ怒るのは無理も無いことで、ユーリも反省している。
倒れたカロルや仲間を放って、単独で帝都に行こうとしたのは悪かったと思っている。だから黙って罰も受けた。
「だから……許してくれ、頼む」
「ユーリ、しつこい! イヤなものはイヤだってばっ」
神妙な面持ちでユーリが左手を伸ばすと、捕まらないように左に体をずらす。右手を伸ばすと、右に逃げられる。
「もう絶対置いていかない。約束する。頼むから……寝る前にお休みのキスをさせてくれ!」
1339「……カロル」
「言い訳なんか聞きたくないからね」
野営のテントの中でカロルは頬を膨らませている。
眉をつり上げて、まだまだ怒りは収まる様子は無い。カロルがこれだけ怒るのは無理も無いことで、ユーリも反省している。
倒れたカロルや仲間を放って、単独で帝都に行こうとしたのは悪かったと思っている。だから黙って罰も受けた。
「だから……許してくれ、頼む」
「ユーリ、しつこい! イヤなものはイヤだってばっ」
神妙な面持ちでユーリが左手を伸ばすと、捕まらないように左に体をずらす。右手を伸ばすと、右に逃げられる。
「もう絶対置いていかない。約束する。頼むから……寝る前にお休みのキスをさせてくれ!」
karanoito
PASTユリカロ 現パロ昼下がりの喫茶店
それとなくクリスマスの予定をカロルに訊くと、ユーリはバイトでしょ? と悪意の無いまっさらな笑顔が返ってくる。
確かにその通りだが、もう少し惜しんだり、残念がってはくれないものか。
一緒に過ごしたいとさえ思われてないのならショックだ。カロルにとっては、放課後にわざわざ出向いたり、バイトの無い日はちょくちょく会ってるだけの他校の友人。
……こりゃ、脈無しかな。
結局、カロルの方も予定があり、バイトを入れてあろうが無かろうが一緒に過ごすのは無理だったのだが。
知り合いがケーキ分けてくれるから、夜に食べようと言ってくれたカロルの一言を励みに、朝から入ったバイトの昼休憩を迎えた。
「……入らねぇな」
1287それとなくクリスマスの予定をカロルに訊くと、ユーリはバイトでしょ? と悪意の無いまっさらな笑顔が返ってくる。
確かにその通りだが、もう少し惜しんだり、残念がってはくれないものか。
一緒に過ごしたいとさえ思われてないのならショックだ。カロルにとっては、放課後にわざわざ出向いたり、バイトの無い日はちょくちょく会ってるだけの他校の友人。
……こりゃ、脈無しかな。
結局、カロルの方も予定があり、バイトを入れてあろうが無かろうが一緒に過ごすのは無理だったのだが。
知り合いがケーキ分けてくれるから、夜に食べようと言ってくれたカロルの一言を励みに、朝から入ったバイトの昼休憩を迎えた。
「……入らねぇな」
karanoito
PASTユリカロ 天使と悪魔パロ天使と悪魔が出会った日
……誰もいない。薄く閉じかけた目蓋を持ち上げ、地面に這いつくばった姿で辛うじて確認する。呼吸は細かく絶え絶えに、指を動かす事さえ満足に出来ない。
瀕死の重症。消滅を待つしか悪魔に出来る事は無かった。
助けを呼ぶ力も無い自分を迎えに来るのが何かは分からないが、同業者が来るとかなり間抜けだろうな、と最期に自虐的な笑みを口に浮かべた。
そして、完全に彼は目を閉じて動かなくなった。
*
雲上の天界には天使が暮らし、地下の魔界には悪魔が棲んでいるが、決してお互いに干渉はしない。存在が真逆な彼らは近付くだけで苦痛を伴い、力を蝕む。
他を救う存在と他を陥れる存在。互いに疎ましくて相容れないのは当然、その関係性は未来永劫変わらない、筈だった。
3686……誰もいない。薄く閉じかけた目蓋を持ち上げ、地面に這いつくばった姿で辛うじて確認する。呼吸は細かく絶え絶えに、指を動かす事さえ満足に出来ない。
瀕死の重症。消滅を待つしか悪魔に出来る事は無かった。
助けを呼ぶ力も無い自分を迎えに来るのが何かは分からないが、同業者が来るとかなり間抜けだろうな、と最期に自虐的な笑みを口に浮かべた。
そして、完全に彼は目を閉じて動かなくなった。
*
雲上の天界には天使が暮らし、地下の魔界には悪魔が棲んでいるが、決してお互いに干渉はしない。存在が真逆な彼らは近付くだけで苦痛を伴い、力を蝕む。
他を救う存在と他を陥れる存在。互いに疎ましくて相容れないのは当然、その関係性は未来永劫変わらない、筈だった。
karanoito
PASTユリカロ泡沫のうさみみ
十五夜の満月の夜、カロルは頭から長いウサギの耳を生やして可愛らしく首を傾げて微笑んだ。
どうしたんだ、その耳と指を差すと、今日は満月だから。と耳を揺らして後ろに手を組んで答える。
「ボク、本当は月に住むウサギなんだ。満月になったから月に帰るね。さよなら、ユーリ」
そう言ってカロルの体は空に向けて昇っていく。追いかけたが伸ばした左手は届かず……
「……とか理由があれば、うさみみ無くても納得出来ると思うんだが」
「バカっぽい」
「……何下らない事、真面目に考えてるの? ユーリ」
リタが目も見ず一刀両断し、カロルも半眼で呆れ顔になっている。
女性全員にあるのはともかく、ユーリとフレンにも用意されてるうさみみが何故カロルには無いのか。
1203十五夜の満月の夜、カロルは頭から長いウサギの耳を生やして可愛らしく首を傾げて微笑んだ。
どうしたんだ、その耳と指を差すと、今日は満月だから。と耳を揺らして後ろに手を組んで答える。
「ボク、本当は月に住むウサギなんだ。満月になったから月に帰るね。さよなら、ユーリ」
そう言ってカロルの体は空に向けて昇っていく。追いかけたが伸ばした左手は届かず……
「……とか理由があれば、うさみみ無くても納得出来ると思うんだが」
「バカっぽい」
「……何下らない事、真面目に考えてるの? ユーリ」
リタが目も見ず一刀両断し、カロルも半眼で呆れ顔になっている。
女性全員にあるのはともかく、ユーリとフレンにも用意されてるうさみみが何故カロルには無いのか。
karanoito
PASTユリカロ 現代パロお帰りとただいまを言おう
突然降ってきた通り雨を避け、軒下に体を滑り込ませる。
止む兆しの無い雨空を見上げ、濡れたブレザーの肩を払い、頭を軽く降った。しばらく雨宿りする事になりそうだ。
退屈そうにブレザーの男子高校生が腕を組んでいると、水音を立てて、同じ様に雨に降られた少年が軒下に駆け込んできた。
肩から鞄を下げた少年はタオルを取り出して濡れた学ランの袖を拭いてから、入れ替わりに傘を雨空に向かって開いた。
見るともなしに、高校生は静かに隣に立っていた。
その時ようやく、自分以外に雨宿りの人が居るのに気付き、少年は隣に立つ高校生に目を向ける。
「…………」
特に気にせず、向けられた視線を受け止め、すぐに目を逸らす。
1421突然降ってきた通り雨を避け、軒下に体を滑り込ませる。
止む兆しの無い雨空を見上げ、濡れたブレザーの肩を払い、頭を軽く降った。しばらく雨宿りする事になりそうだ。
退屈そうにブレザーの男子高校生が腕を組んでいると、水音を立てて、同じ様に雨に降られた少年が軒下に駆け込んできた。
肩から鞄を下げた少年はタオルを取り出して濡れた学ランの袖を拭いてから、入れ替わりに傘を雨空に向かって開いた。
見るともなしに、高校生は静かに隣に立っていた。
その時ようやく、自分以外に雨宿りの人が居るのに気付き、少年は隣に立つ高校生に目を向ける。
「…………」
特に気にせず、向けられた視線を受け止め、すぐに目を逸らす。