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    ガル

    きのした

    PASTpixivより再掲

    花京院が心配な病的過保護太郎と、承太郎の愛が欲しい蘇り院の話。
    私はすぐ承太郎を病気にしたがるから困る。
    誤解とすれ違いが大好物です。
    当然のようにアメリカで同棲。
    何年後かは、それぞれの胸の中でお好きな感じに当てはめて下さい。
    ※ほのかに承←モブ表現あり。
    だからお願いそばにおいてね おまけつき 僕は承太郎と、たった一度だけ、抱き合ったことがある。

     あれは、あの旅で、まだ僕が目を負傷して途中離脱する前。その日は敵襲に遭って、スタープラチナを思う様暴れさせた承太郎は、古ぼけた宿に泊まるとなっても、興奮がおさまらないようだった。僕らはキスを交わした。二人部屋で、夜が染み入ってくれば、何も邪魔するものはない。彼は僕を好きだと言った。息継ぎの度、何度も。僕を貪る彼を、僕は愛しいと思っていた。だから僕も好きだと返した。いつもだったら、思う存分キスをした後、疲れた身体を休ませるために手を繋いで眠りについた。けれどその日は違った。
     承太郎が僕を軋む固いベッドに押し倒す。そのまま僕の服を剥ごうとした。僕は打ち震えた。承太郎に恋していた僕は、いつからかその瞬間を待ち望んでいたのだ。承太郎に欲望を向けられていることが、たまらなく嬉しかった。彼の、望むように。僕は積極的に動いて、承太郎と愛し合った。大切な思い出。これから先何があっても、この瞬間の幸せを覚えていれば大丈夫。僕は何にでも立ち向かえる。そう思って最終決戦に挑んだ僕は、DIOに敗北した。だけど、それはきっと、僕の役目だった。メッセージに、どうか気づいて欲しい、そう願いながら、水に沈んでいった。感覚の無くなっていく指先が、勝手に温もりを探す。承太郎。最期に、君とキスが、したかったなぁ。
    18029

    多嘉(わび)

    MAIKING子タろが夜の寮で幽霊大野に会う話。

    こちらは18TRIPオールジャンルWebオンリー『旅の始まりは港町から』にて展示しております。計画性のなさのあまり期間中にしあがる感じがしないので、前半というかたちで載せておきます。後半を書いたらpixivのほうに掲載する予定なので、そちらもぜひ見てください。
    前も似たようなの書いたけど、推しカプの幻覚なんてなんぼあってもいいですからね…
    見たようなかお「だからァ、マージで見たんだって!」

     浜咲椛は通りがかったリビングの喧噪におやっと足をとめた。この底抜けに明るい声の持ち主は、あく太だ。

    「今週でもう何回目? そんなにほいほい心霊現象が起きるわけないでしょ。てか、アホ竹に霊感なんてものあるの?」
    「なんて言う潮は、実は幽霊が怖かったりして」
    「は!? そんな訳にゃい、ない! 言いがかりやめてくれる?」
    「言ってやるな、七基。たしかにうーちゃんは幽霊が嫌いだが、今回ばかりは寮に不審者が出ていることを心配しているんだ」
    「ちょっと、むーちゃん!」
    「不審、者……そっちの、方が、……怖、い」

     リビングの中央、テーブルの周りを囲むように、昼班の面々が勢ぞろいしてやいのやいの騒いでいた。青春の一幕を邪魔しまいと椛はいそいそと通り過ぎ、冷凍庫の中身を漁りはじめる。お風呂上りのアイスを求めて。その最中も、あく太のよく通る声はキッチンにまで聞こえてきた。
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