仗露道場2025/2/6「みどり」（2023/5/4お題）　太陽の光を弾く白磁にそっと唇をつけた。芸術的に薄いふちから温かな液体が口の中に流れ込むと、豊かな香りが鼻へと抜ける。頭上を仰げばきらめく新緑。
　杜の都の名にふさわしい美しい午後、一日の仕事を終え、気に入りの店でうまいコーヒーを味わう。控えめに言っても最高の時間だ。
　ふと、さわやかな初夏の風がにぎやかな声を運んできた。辺りを見回すとちょうど電車が着いたのか、駅に続く道から学生服の集団が歩いてくる。
　うるさいガキは好きじゃあないが、あれはあれで若さの象徴ではある。みずみずしい新芽の季節にふさわしいってもんだ。今日はとりわけ納得のいく絵が描けたこともあり、ぼくは珍しく寛大な気分になっていた。
　本当はぼくだって、通りの向こうで笑いさざめいてる学生たちとさほど変わらない年齢だ。ただこっちは十六の時からプロの漫画家として活動しているからか、どうにも自分とは違う生き物だという感じがしてならなかった。

カミサマコンプレックス私は人々の思想について知ることが好きです。一人一人に全く被りがなく、聞いていて飽きないですから。
特に宗教信者の思想は面白いので、もし会った時はその都度質問しています。
（暫く無言になる）
…実に滑稽ですよね。他の宗教を否定し、自分こそは正しいと信じて疑わない様は。
話がそれてしまいました。本題に入りますね。
母への深い愛情や執着を抱く状態はマザーコンプレックス、少女に特別な感情を抱くことはロリータコンプレックス、二次元のキャラクターに対してのみ恋愛感情や性的な欲望を抱くことは、二次元コンプレックスと呼ばれています。
…そう考えると、神に対する執着もまた存在するのではないでしょうか。
普段、神に対してどうしようもない場面に陥った時、無礼なことを働く、もしくは何とも思っていないような人が神頼みをするのをよく見かけますよね。はっきり言ってダサいです。