おもむろに、目の前に手のひらが迫ってくる。咄嗟に目を瞑ると額をするりと撫でられた。「くはは」と聞き慣れた笑い声に瞼を開くと金色の瞳が見つめてくる。

「なんだ」
「チビがもっとガキに見える」

そう言って前髪を弄んでくるのに思わずムッとしてしまう。自分が童顔なのは分かっているが、どうやらデコを出すと余計に幼く見えるらしい。仕事でヘアアレンジをされることも増えてきて気付かされた。コイツは逆に、髪を上げると少し大人っぽくなる。埋まらない歳の差がなおさら露見しているようで悔しい。だからわざと額を隠すように、ぐしゃぐしゃと銀の髪をかき混ぜてやった。

「くはは。仕返しもガキだな」
「うるさい。変なことしてないで集中しろ」

以龍　いきなり次回予告①「以蔵さんの部屋に来るの、ちょっとぶりだね」

「まあ週イチくらいで来とるなおまん
で、今日の土産はなんじゃ」

「ちょっといいお酒を貰ったから持ってきたよ、
きっと以蔵さんも気に入ると思うんだ」

「まあ悪うはないの。
おい龍馬、酒の肴になんぞ話でもせえ」

「そうだなあ、以蔵さんが興味持ちそうなことといえば……」

次回！
面倒だから歯ブラシとも寝間着も置いといていいかな？　お楽しみに！

「マグカップはもう置いてたね」
「既におまん用の座椅子まであるんじゃが？」