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    ナッシュ

    yomo_IV

    DOODLEシードルとガナッシュ
    ED後/尻切れ
    ◆◆◆
     ボク、キミを知りたいと思ったんだ。
     シードルと向き合うように置かれたカンバスの奥に置かれたスツールへ腰掛けて早々、そんな言葉が飛んできた。予想だにしていなかった言葉だったものだから、ガナッシュは驚いて「そうなんだ」と素っ気ない返事しかできなかった。
     一呼吸おいてから、カンバスに姿を切り取られたシードルの様子を窺う。別段気を悪くした様子はなかった。琥珀色の絵筆がするするとカンバスの上を泳いでいくのが、たまにガナッシュの方からも見えた。
     知りたいとは、どういうことか。
     臨海学校を終えてから、以前にも増して芸術一辺倒となったシードルのことを、ガナッシュは理解できない時がある。知りたいのならば、膝を突き合わせて話した方がいい思うのだが、どうやら彼にとって語らうことは知ることではないらしい。

     選んだ授業を終えて、さあ帰るかとガナッシュが荷物をまとめていると、別の授業を選択していたはずのシードルがガナッシュの元にやってきた。絵のモデルになってほしいのだと言う。
     オレでいいのかと聞くと、キミがいいんだよ、と何故だか笑われてしまった。そう言われては、断る理由がない。カバンに荷物 1305