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    ナント

    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。リクエストをいただいた、諭吉の「過去のやらかしがバレてしまう」お話です。自伝の諭吉、なかなかの悪だからね……端午の節句と併せてお楽しみください。
    >前作:枝を惜しむ
    https://poipiku.com/271957/11698901.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    昔の話 気まぐれに誰かを指名した後、その人の知り合いを辿ってゆけば、いずれ己に辿り着くらしい。世界広しといえどもぐるりと巡れば繋がっていると聞いたところで、福沢諭吉には今ひとつわかりかねる話だった。もっともらしい話をした人物が、自分に説諭しようという輩だったから反発心を抱いたということもある。その節にはいくらか激論を戦わせてもの別れになり、以来すっかり忘れてしまっていた。
     だが、こと情人である隠し刀に関していえば、全ての人と人が何某かの形で繋がっているのではないかという気にさせられる。勝海舟邸に出入りするようになって日が浅いが、訪れる人が悉く彼の知り合いだった、などは最早驚くに値しない。知らぬうちに篤姫からおやつを頂戴していた際には流石に仰天させられたし、勝の肝煎である神田医学所はもちろん、小石川植物園にまでちゃっかり縁を繋いでいる。幕府の役人でさえそう縦横無尽に出入りすることはままならない。彼の自由さは本物であり、語る冒険譚は講談の域に達している。
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    MOURNING⭐︎誰がなんと言おうと 伊食満 ⭐︎

    ・留三郎の体調不良
    ・文ちゃんに弱音吐く留三郎
    ・元気で愛い用具委員会と保健委員会

    後味悪く感じるかもしれませんが、『二人だけが知っている』読んでもらえたらなんとなく謎が解決します!

    ⚠︎この前挙げた小説『二人だけが知っている』のボツシーンです。読んでた方が状況がわかるのと、微妙にネタバレです。読んでなくても分かるので、体不好き集まれ〜!!!!
    抱きしめて「食満先輩、無理をしてませんか」

     そんな中、中庭で用具の修補の仕事を行なっている留三郎を見かけて、母屋の廊下で思わず立ち止まっていた俺に声をかけたのは、鉢屋三郎だった。

    「わかるのか、鉢屋」
    「いやー、伊作先輩が帰ってきてないことを知った上で複合的に見ると、少しぎこちなく見える、程度としか。俺は変装するために人の動きとか癖だとかをよく見てるから気がつくだけで、他の五年は全く分かっていないでしょうよ」

     あの人、こんなに嘘つきだったんですね。と鉢屋は言って、俺と揃って留三郎に視線を向ける。

    「……ねぇ、気が付いていますか。潮江先輩」
    「何がだ」
    「いやねえ、食満先輩の話題を振ったら気がつくんじゃないかとそう思って話しかけたんですけど」
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