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    ニシ

    oritkrv0120

    DOODLE何にも分かってないけど雰囲気だけで何とかしようとしてる滅茶苦茶なにわかが書いてます~
    全てがいい加減……

    エグシャリのザベ君が一晩過ごしたあくる朝にシャリアさんの朝ごはんを作る話
    こっち向いてよ、モーニングダーリン!「♪♪♪~」

    男が鼻歌交じりで、手にしたフライパンの上にベーコンを載せる。貴重な分厚い二切れを慎重に、油を引かず、弱火で揺らさず、じっくりと。多少時間はかかるが、焦ってはいけない。やがて熱を与えられたベーコンが、ジューシーな肉汁を溢れさせながらぱちぱちと弾けだす。軽やかな音色だ。ふわり、強烈な旨味の気配を漂わせて、狭いキッチンスペースに香ばしい燻製の香りが広がっていった。よし、ここからはタイミングか肝心だ。決して焦がさず、しかしだからと言って焼きが甘くもない絶妙の塩梅に仕上がるように。表面はカリカリ、中からはジューシーな肉汁があふれ出す瞬間こそがベーコンの真骨頂なのである。ふちが僅かに縮み、裏面に綺麗なきつね色の焦げ目がついたのを頃合いにして、エグザベ・オリベは卵を二つそこに割り入れて蓋をした。目玉焼きは取り合えずこれでよし。オーブンの中にはベーグルと半分に切られたトマトが、綺麗に二つ並んでしゅうしゅう音を奏でている。フライパンの隣のケトルの湯は、もう後わずかで湧きたつ頃合いだ。とっておきの果実も良く冷えていて、つやつやと美味しそうである。緑の色彩も鮮やかなリーフの水気を切って皿に移したエグザベは、そろそろか、と全ての火をいったん止めてキッチンを後にした。
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    棺(ひつぎ)

    PAST原作者及び公式関係者、様々な媒体での自作を宣伝の為の書き込みやURLを貼り付ける行為は行っておりません。

    新年二発目
    禁断のアンノヴァが続いてしまいました
    「蕾」の続編ではありませんので単体で読めます
    ノヴァクさんが身体を貫かれる行為はありませんが、雰囲気的にセンシティブなので、一応R-18にしております

    アントニさんが酷い男です

    BGM
    Castrato
    アンノヴァ/CastratoCastrato
    さぁ
    最後の警告だ
    私の声を聞け
    二度も言わぬ
    選択肢は肯定
    ただそれだけ

    「一体、貴方はC教をどこまで穢すおつもりで?」
    「な、何の事でしょうか…?」
    シモンとレフはアントニに指示された通りにヨレンタを拷問室から出して牢獄室へと移動させた。愛する愛娘をアントニの手にかかる前に安全な場所へ避難させようとした矢先に都合よくシモン達を引き連れての登場とはよく出来た展開だとノヴァクは思った。
    「とぼけても無駄ですよ?異端者二人と行動を共にしていたという事実は否定出来ない真実だ。現に六日前も食事をしていたというではないか。しかも…」
    アントニはノヴァクの耳元で「とても親しげに」と囁かれて背筋が凍った。愛娘が天文に興味を示した事は幼少の頃から知っていた。敢えてそれを遠ざけずに支えながら、分からない程度で遠ざける様に助言をしていたつもりだ。ある場所で働きたいという申し出にも否定しなかった。妻が死んだ後の身内は俺だけだからだ。俺の全ての言動を信じなくても良い、最低限の女性としても振る舞いを守ってくれれば。勤勉なのは妻とそっくりだから、冷たい手を僅かでも温かくなるように手袋を買ってやった。子どもの成長は著しく早い。洋服と同じで手袋もすぐに新しいものに変えなくてはならなくなって、大きくなるのが嬉しくて堪らなかった。このまま安全な場所で仕事をこなして、いつか結婚するのだろう、子どもを産んで夫となる人物と恙無(つつがな)く暮らしてほしい。それだけが愛娘に対する希望。なのに、どうした?これは。
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