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    フィギュア

    ほしいも

    DONEちょこのせ炎柱

    例のフィギュアに狂わされました。
    「よろしくお願いいたします!」
     フォトスタジオに快活な声が響く。鬼殺隊最強の武人の一人、炎柱・煉獄杏寿郎その人だ。
     鬼殺隊の広報活動の一環として、立体像の制作のモデリングに当人へ撮影任務が言い渡された。ブルーバックの背景を背負って、足元に張られた養生テープの目印の上にしっかりと仁王立ちする。炎柱は近年、立体制作が盛んに行われているのでこの撮影もこなれたものなのだ。
     炎柱を取り囲むカメラの台数は9台、全てのレンズが煉獄杏寿郎の姿を捕らえている。初めて撮影に臨んだ時は、見たこともない大きなカメラレンズがまるで鬼の目玉のようでもあり、その全てが自身を舐めるように向けられている状況に居心地悪そうに固まっていたが、何度も繰り返される撮影にすっかり朗らかな表情が見られるようになった。

    「炎柱様、本日はこちらにおかけになってください。」
    「わかりました。」
     撮影を担当する隠が、ブルーバックに溶けいるような真っ青のスツールを煉獄の背後に設置する。その指示に従って腰掛けた彼は、両手で緩く拳を握り、膝の上に置いた。
    「それでは、こちらのお弁当をお食べください。」
    「弁当!それはありがたい。あとで 1431