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    ボーイ

    おこめ

    DOODLEアキイト 📼🔦(未成立)でラッキーすけべネタです。
    一日中どたばたデートしてるだけ!
    リクエストありがとうございました🥰長らくお待たせしました!!

    始終📼は(脳内で)よくしゃべるしむっつりプレイボーイ(?)、🔦は鈍感&無知の乙女です。
    ⚠️少しだけ犬×🔦の描写があります。地域猫ならぬ地域犬のような感じを想像していただければ…
    災い転じて福となせ! 開店前の静かなビデオ屋。カシャカシャとビデオのハードカバーが触れ合う音と小さな鼻歌が響く。「おはよー……」と眠たげな目を擦りながら階段を降りてきたリンは、カウンターの中で機嫌よく開店準備をするアキラと目が合うなり怪訝な顔をした。

    「うわあ」
    「おはようリン。お兄ちゃんに対していきなりうわあはないだろう。朝ごはんはそっちのテーブルに置いてあるよ」
    「あ、ありがと。じゃなくて! 随分とご機嫌だね?お兄ちゃんが朝からテンション高いとなんか違和感って言うかぁ……」
    「そうかい?」
    「そうだよ! 鼻歌なんか歌っちゃって。わ、もうコーヒーまで買ってあるし!」

     作業部屋に入るなり、彼女はもう一度うわあと声を上げた。今度は喜色が色濃く滲んでいる。そうだろう。妹の好物のひとつであるエビアボカドサンドは、六分街のコンビニにはごく限られた日にしか売られていない上に朝一に行かないとすぐ売り切れてしまう人気商品だ。
    22250

    akaakine2

    TRAININGオモリボーイとアイスクリームのはなし。
    毎週オモボ小説のやつ。
    アイスクリームは楽しくないずっと、憧れていたんだ。



    「……あ」

    けたたましい音とギラギラ七色に光るライトを見にまとったアイスクリームトラックは向こうへ行ってしまった。ドップラー効果で変わる音色はオモリボーイの鼓膜を揺らす。窓から外を眺めていた彼は、小さな吐息を漏らしてそっと窓枠から手を離した。
    窓枠の下ではニャーゴがちろちろと腹を舐めていた。こちらを見ることもなく、ただちろちろと、ちろちろと。けれどオモリボーイは何もすることがなかったので、ただそれを空っぽの頭で見ていた。

    いつまでそうしていたのかよく分からない。そうやって空っぽのままでいられることが、オモリボーイは得意だった。いい意味でも、悪い意味でも。ニャーゴはすっかりオモリボーイに興味を無くして(いいや、きっとハナから興味などなかったのだろう)定位置であるブランケットの上で眠っていた。ここに時間なんて邪魔なものはないから、オモリボーイは自分がどれくらいの間空っぽでいたのか分からなかった。でも、多分、アイスクリームトラックが通り過ぎる前からずうっと空っぽで何も無いのだろうと、なんとなく理解していた。何せ、考える時間は邪魔なくらいあるから。
    1990