My favorite things.　手紙というものはなかなか難しい。紙でできたそれを、毎朝毎夕運んできた身の上として、ビクター・グランツは手紙に対して一端の意見を持っていた。ただ紙に何か書き、封をすれば良いというものではない。手紙には、手紙を手紙たらしめる要素がいくつもあるのだ。
　ストーブの上で熱々にした薬缶が笛を吹いたので、火からおろして鍋にそそぐ。ここからが勝負どころだ。考え事は棚に上げておこう。薄紫色の封筒を椅子に置いた郵便鞄から取り出し、そうっと湯気の上で躍らせた。この時間は花が開くのを待つ気持ちに似ている。焦らず、ただじっと自然に任せるのはもどかしいが、十分見返りがある。
　その証拠に、菫色のインクをにじませることなく、手紙はぱくりとその口を開いた。花の匂いが漂う。手紙の差出人がウィラ・ナイエルであることを考えれば当然の話だ。上流階級という概念に血肉を与えたような彼女は、人間よりも花に似た気高さがあった。

「ずるいひと」「私に、そんな資格はありませんから……」
　苦笑混じりにそう答えた直後、キャメルはその大柄な体を、柔らかなラグの上にいとも容易く転がされた。

「えっ……えっ！？　あ、赤井さん……！？」
　生まれつき白い肌が上気する程度に酒が回っている頭でも、見上げた彼の様子に異変が起きたことはわかる。
　いや、正直に言って見た目にはわからない。尊敬する捜査官である赤井秀一は、冷静な表情で、切れ長の鋭い目つきで、しかし知性と穏やかな色を含んだ眼差しで――いつも通りの様子でキャメルを見下ろしている。そう、いつも通りだ。自分を押し倒して、容易には起き上がれないようにのしかかってくる以外は。
　自身の太い手首に絡む、しなやか且つ硬くしっかりとした指は、キャメルを傷つけるような意志はなく、だが抵抗を許さない力強さがあった。

シャクニ叔父×ショタヨダナさんの妄想これは多分書かないヨダナさん受けの話なんですけど。
シャクニ叔父さん×ショタヨダナさんの明らかに犯罪な組み合わせいいですよね。
目が見えない両親の代わりに「目端の利く」大人が欲しかったショタヨダナさんと、最愛の姉の面影を追い求めるシャクニ叔父さん。
このヨダナさんはカルデアでマスターに初体験の相談をされたら。
「１度しか使えぬ付加価値だからな。高く買ってくれるやつに売るのが道理というものだ」
とかのたまってマスターから引き剥がされる。
説教タイム。
「だって高く買ってくれたもん」
「高くったって限度があるだろうが、そんなものに…」
「最後までわし様を守って死んだぞ。かわいい男だった」
とか笑って言うので頭抱えるアシュくんと、相手の心当たりがついて表情が変わるビマさん。