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    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第6話『飛び出していけ赤い彗星』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分がキャスバルだったことは思い出したがシャア時代のことはほぼ覚えていない)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(クランバトル登録名『レッド・コメット』)が一時的な運命共同体をする話。

    中佐とコモリもいます。CPではないですが、赤い彗星のMAVは灰色の幽霊しかいません。
    『MAVでなくても手は取れる』最終話『飛び出していけ赤い彗星』実際のところエグザべは無策で突入した訳ではなかったし、スバルもまた彼の身を案じなかったわけではなかったのだ。

    エグザベがビルの中に姿を消してしばらくした頃、スバルもまたその場所に訪れていた。彼のほうが目立った場所を歩き回っているのだから、彼に接触しようとする者がいるかどうか見るのが情勢を知る上では一番手っ取り早いと思ったのだ。疑似餌として扱っているとも言えるだろうが、それが他に手段のないスバルなりの責任の取り方でもあった。

    ふと奇妙な直感が働いて、スバルは植え込みに視線を落とす。そこには古い子供の玩具が転がっている。子供の落とし物を誰かが道の端に置いたようにしか見えないそれが、エグザベが難民の子供から貰ったものであることをスバルは知っていた。間違いなく、彼がここに来て意図をもってそこに置いたのだ。
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    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第5話『コンニチハオイソギデスカ』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分がキャスバルだったことは思い出したがシャア時代のことはほぼ覚えていない)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(クランバトル登録名『レッド・コメット』)が一時的な運命共同体をする話。

    中佐とコモリもいます。どこもCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第5話『コンニチハオイソギデスカ』「もう自分でも気づいてそうだけど、君はある種の才能を持っているんだ」

    クランバトルから戻ってきた翌日の夕方。台詞の内容とは裏腹に、表面の焦げたケーキをつつきながら切り出したエグザベは物憂げに言葉を並べていた。この話をするのに乗り気ではないのだろう。次の言葉に迷っているようだったから、スバルは助け舟を出すことにした。

    「ジオンに来いと?」
    「そうだ、よくわかったな。……僕がソドンに戻れて、君の記憶が戻らなくて……というか行くあてがなくて、そして中佐が許せばだけど」

    前提の多さに思わず笑ってしまう。きっと彼にとっては遠い先のことなのだろう。自分としてはどうだろうか。おそらくかつてもそうしていたように、二手先三手先を読んで考える。ジオンに潜り込むというのは、復讐の事を考えるとそう悪い手段ではないように思う。戦争が終わった今は軍人よりもエンジニアなどの肩書きを得たほうがいいのかもしれないが、どちらにせよ協力的な伝手があるというのは都合がいい。
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    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分には信頼するMAVがいたこと以外何も覚えていない。肉体年齢21歳)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(イズマ単独捜査中)が一蓮托生になって数日にわたりドタバタする話。クランバトル編だ! 

    中佐とコモリもいます。どこもCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』クランバトル出場にあたってエグザベは一つだけ条件をつけた。『降参あるいは逃走のタイミングはエグザベが決定し、それを決めた場合はエグザベより先に逃げること』である。本当は頭部以外狙うなとか指示に従えとか色々条件をつけたかったのだが、相手が本気で命を狙ってこない保証ももうないのだ。その上にこちらが乗る機体も未知の借り物で、挙句スバルはニュータイプとはいえ記憶がないのだ。すべてが未知数である以上、あまり細かい事を言ってもしょうがない。

    どうにか約束を飲み込ませて、自分たちが代打で乗る機体を見せてもらう。倉庫に隠されたMSは、端的に言うとかなり古いザクだった。赤くてV字のアンテナがついている。赤いガンダムに外見だけでも寄せようとしたのだろう。ビットはもちろん、頭部バルカンらしきものも見当たらない。正真正銘角付きの赤いザクである。
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