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    レノ

    chi

    PAST2年前の御影先生オンリーで展示していた作品の再掲です。今はこれの続きを書いていて、本にできればと思ってます!当時読んでくださった方、本当にありがとうございました!

    御影先生お誕生日おめでとうございます!

    ※作品の注意
     捏造モブが出てきて、素行が悪いです
     主人公の名前は小波美奈子です
    月はグリーンチーズでできている 小波美奈子はあの日のことをよく覚えている。梅雨が明け、いつの間にか数を増やした蝉の鳴き声が夕方になっても喧しい、蒸し暑い夏の日だった。
     高校生になって初めての期末テスト最終日で、いつもより早く学校が終わったのを良いことに、キンキンに冷房の効いたリビングのソファーに寝そべって学園青春ドラマを観ていたら、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。その頃のはばたき学園、とりわけ一年生たちの間には形容し難い妙な息苦しさがあって、少し疲れていたのかもしれない。キッチンからじゅうじゅうと夕飯支度の音が聞こえてくるまですっかり夢の中を満喫し、起き抜けの美奈子に母が「卵切らしてたから買ってきてくれない?」と、使いに出した。母の一言がなければこの日は怠惰を極めただけの、思い返すこともなければ記憶のフックにかかりもしない、なんの変哲もない一日になっていただろう。
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    monet_charca

    DOODLE遅ればせレノ誕
    夜に叶う食堂でのパーティーが一段落して、フィガロは自室に引き上げると隠しておいたワインボトルを取り出した。今夜は酒を飲もうと決めていた。きっと少しくらい飲みすぎてもミチルも怒らないだろう──レノックスの誕生日なのだから。フィガロはそう確信していた。
    「さて、と……」
    ワインの栓を魔法で抜くと、手酌でグラスに注ぐ。折角なので窓際に椅子を移動させて、窓を開けて夜の空気を部屋に入れる。窓から顔を出して空を見上げれば、《大いなる厄災》が輝いている。それを見ながらひと口、ワインを口に含む。この季節は少しだけ肌寒い風も心地よい。そんな季節に生まれた男のことを少しだけ羨ましく感じた。
    昼間のうちに顔を合わせた時、朝から祝われ続けているレノックスに「飲もう」と声を掛けたものの、パーティーで散々酒を注がれて飲まされて、珍しく酔っ払っていたし今日はもう来ないだろう。人気者で真面目なレノックスがそうなることをフィガロは予測していたし、その上で声を掛けた。きっとフィガロが誘ったことも覚えているレノックスは、明日の朝謝罪と共に改めて誘ってくれるだろう。そういう、真面目な男だ。それを笑って受け入れれば良いと思っていた。
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    みゅげ

    DONEレノフィガwebオンリー、また参加させていただきました!

    このふたりってこんなにいちゃいちゃするかなあ…と思いつつも、公式で〝運命〟とか言っちゃったり、仲良く俳優やってたり、雪国で足湯デートするし。
    本当に思っている以上に、おかしなことになってるな、って思う。ずっとそう思います。

    何を書くかいろいろ悩んだので、今年のレノのお誕生日の後、ふたりきりでしっとりと飲むレノフィの短編をあげます。
    神様のひつじ『神様のひつじ』




     窓から差し込む月明かりはほの白く、部屋の主の穏やかな横顔を淡くやわらかく照らす。
     ときに見惚れるほどにすべらかな彼の人のすっきりとした輪郭を、大いなる厄災の光は今宵もひどく艶やかに彩っていた。
    「ほら、これ。この前、西のバザールで見つけた掘り出し物のお酒」
     そう言って小さなデスクの傍ら、のんびりとした仕草ではたはたとレノックスを手招きする人は、いらっしゃい、と呑気な顔でにっこりと笑って、もうすぐおまえの誕生日だからさ、一緒に飲もうと思ってとっておいたんだ、と。
     やわく輝く実りの榛色の瞳でなんとも楽しそうに嘯いた。
    「さて。ここからはお待ちかねの大人の時間だ」
    「フィガロ先生」
    「きみ、今日はだいぶ飲んでいたみたいだけど。まだ飲めるだろう」
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