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    ワニ

    odaka222

    DONE(小説)極髭一の短いの。一期くん極になって更に闇が深まるのたまらなく愛おしいですね。不安定な心を吐露してくれるのは、ある意味心を許してくれ始めてるからかなぁとも思ってます。不器用な甘え方の一期くんと、ふわふわに見せかけてめちゃくちゃ考えているのであろう兄者、最高だと思いますマル。あと、兄者一期くんの外套掴む癖とかあったら可愛い。極前のあのでかでかとした紋が無意識に気に入らなくてあの部分掴んでるの。戦場に力強くはためくマントを後ろから眺める。その姿はまばたきをも忘れそうなほど美しい。
    『でも、』
     髭切は音を立てず息を吐き、ゆっくりと目を閉じた。再び開くと、同じ光景に向かって手を伸ばす。
    「そろそろ戻ろうか。一期一振」
     美しいと思った長いマントを無遠慮に掴み、いつもの調子で引っ張った。以前の彼ならここで、驚いて小言をこぼすか、呆れたように苦笑してくれるかなのだが。
     僅かな沈黙の後、薄く貼り付けたような微笑みがこちらを振り向く。出会った頃の、よそよそしい感じ。
    「申し訳ない。待たせてしまいましたな」
    「ううん。久々の遠征だもの、疲れたのなら少し休んでいこうか」
     布を持っていた手を軽くあしらわれ、彼は一歩下がった。
    「いえ、戻りましょう。無駄に遅くなっては主に余計な心配をさせてしまいますし、弟にも示しがつきませんから」
     踵をかえした際にふわりと翻ったマントを、反射的に再び掴む。
    「!」
     今度は少しばかり丸めた目がこちらを振り向き、その様子に思わず笑い声がもれた。
    「何か」
     些か不機嫌そうな声色に、すぐにごめんと謝って首を傾ける。
    「やっぱり、もうちょっとゆっくりしていこう 2467

    last_of_QED

    DONEディスガイア4で悪魔一行が祈りに対して抵抗感を露わにしたのが好きでした。そんな彼らがもし次に祈るとしたら?を煮詰めた書き散らしです。【地獄の祈り子たち】



    人間界には祈る習慣があるという。どうしようもない時、どうすれば良いか分からぬ時。人は祈り、神に助けを乞うそうだ。実に愚かしいことだと思う。頭を垂れれば、手を伸ばせば、きっと苦しみから助け出してくれる、そんな甘い考えが人間共にはお似合いだ。
    此処は、魔界。魔神や邪神はいても救いの手を差し伸べる神はいない。そもそも祈る等という行為が悪魔には馴染まない。この暗く澱んだ場所で信じられるのは自分自身だけだと、長らくそう思ってきた。

    「お前には祈りと願いの違いが分かるか?」

    魔界全土でも最も過酷な環境を指す場所、地獄──罪を犯した人間たちがプリニーとして生まれ変わり、その罪を濯ぐために堕とされる地の底。魔の者すら好んで近付くことはないこのどん底で、吸血鬼は気まぐれに問うた。

    「お言葉ですが、閣下、突然いかがされましたか」

    また始まってしまった。そう思った。かすかに胃痛の予感がし、憂う。
    我が主人、ヴァルバトーゼ閣下は悪魔らしからぬ発言で事あるごとに俺を驚かせてきた。思えば、信頼、絆、仲間……悪魔の常識を逸した言葉の数々をこの人は進んで発してきたものだ。 5897