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    事務

    𝕤 / 𝕔

    DONE「ジュンらしいね」
    唐突に齎された言葉に茨は顔を上げる。事務所のあるフロアの片隅にひっそりと、というには少々目に付く派手さで飾られた笹の葉に吊るされた一枚の短冊を指先で摘まんで、凪砂が微笑んでいた。短冊に書かれた言葉を視界の端に捉えて、茨も頷く。
    「まったくもって、ジュンらしいですな」

    『あなたのとなりに立つに相応しい人間になりたい』

    なんて。そんなことは願わなくてもとうに叶えているだろうに。
    ミルキーウェイから降り注ぐ ✦ ✦ ✦

     随分カラフルな笹飾りだったね。
     ぼくがそうぽつんと落とせばジュンくんは一瞬なんの話だよという顔をして、思考を巡らせたあと得心がいったように頷いた。ああ、事務所にあった笹の話ですか。そう言い添えて。

     仕事先で貰ってきたのだという笹を担いでCrazy:Bの面々が事務所に帰ってきたときは、あまりのにぎやかさに思わず頭を抱えてしまいましたよ。茨がそんな旨のことを話していた笹は、コズプロの事務所の一角に倒れないように結ばれて、堂々とその腰を据えていた。
     短冊といえば五色であるという思考は元よりなかったみたいで、色とりどりの短冊があちこちに飾られた笹の葉は色の洪水で埋もれていた。Crazy:Bの黄色。2winkのピンクと水色のネオンカラー。Valkyrieのワインレッド──とはいかず、どこかの誰かを彷彿とさせるやわらかな朱鷺色。その他にも、持てる色彩のすべてをここに詰め込みましたといわんばかりの笹飾りで彩られた笹の葉は、重たそうに葉先のこうべを垂れていた。
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    itl

    DONEオリロラ/全年齢

    焼き焦がすもの
    「よく言えば利口だし、悪く言えば……、全部が傷つく準備になっているんだろうな」

    ~注意点~
    ダズムン5合わせ新作
    アンジェリカ加入前のチャールズ事務所
    かなりオリヴィエ→ローランだと思う
    うすぐらエモな感じ オリロラは冬の季語
    焼き焦がすもの 確かに、チャールズ事務所は北部の風土に漏れず華やかな印象のある事務所で、それなりに有名ではあるが、まさかこんな舞踏会のようなものにまで縁があるとは。
     並んだ豪勢な食事に手を付けて、周りの煌びやかな貴族たちを眺めながら、オリヴィエは改めてそう思った。

     巣の、とりわけ翼の関係者が集まる夜会に、一般人が招かれるはずは無い。つまり今回も例によって任務なのだが、内容は隠密での護衛だ。翼の重役も出席しているであろうこの場にチャールズ事務所が選ばれたのは、実力もさることながら、事務所施設も、そしてそこに所属しているフィクサーも華やかに見えるからなのだろう。
     オリヴィエも燕尾服を身に着けて、小脇に杖を抱えていた。杖に刃物を仕込んではいるが、傍から見ればそれなりな貴族に見えることだろう。アストルフォが見立ててくれたものだ。彼もこの会場のどこかにいるはずだが、すっかり馴染んでいるのか見つからない。
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