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    Doggy_t_ff14

    PROGRESS尻叩きの進捗あげ。
    子持ち夫婦ヒエ光♀(トリヒエ)がホワイトシチューを食べる話。トリニテさん(弊光)は料理がだいすき!という一言をここまで膨らませる。
    ホワイトシチューについて(途中)ホワイトシチューについて

    リジン家の、そして帰燕館の台所を取り仕切っているのは厨番の家臣……ではなく、国主ヒエンの妻であり暁の英雄トリニテである。西方リムサ・ロミンサの高級店、レストラン・ビスマルクの筆頭調理師としても名高いトリニテは、ドマ正妃という貴い立場に立った今でも手ずから愛する夫に食べさせることを望んでいたし、それにとどまらず帰燕館で働く家臣の分までもそうするのが当然という顔で日々台所に立っている。トリニテいわく、人の身体とは食べたもので出来ており、相手に食べさせることは愛を注ぐうえで最上の行為のひとつである(そこに苛烈さすら感じさせる独占欲の発露を意識しているかは定かではないが)から夫のため台所に立つのはどんな立場になったとしても当たり前のことなのだとか。もちろん国主ヒエンがそうであるように自身も正妃として民から敬愛を捧げられる立場であることはよく理解しており、数日に一度は夫婦揃ってそれを受け取るべく家事炊事を休むのだが、そんな日は外に出て万市場の台所でミツバと料理を楽しみ民に手料理を振る舞っているのである。最初こそ休みを休みとして過ごすよう叱られ帰燕館に連れ戻されることもあったそうだが、それでおとなしく引きこもっていられるわけがない。ビスマルクにふらりと出勤したり、オールドシャーレアンまで赴いてグリーナーズリーヴの調理品を黙々と作り続けたり、月に行ってキャロットケーキを山ほど焼いたりするものだから、せめてドマにいてくれる方がヒエンの気も楽だろうということで近頃は好きにさせてもらえているらしい。ヒエンは常々、トリニテが羽衣を己に預けた天女なのではないかと思っている節があったが、羽衣を畳んでなお自由に飛び回りあちこちに愛を注ぐ様を苦々しく思ったり、咎めたりといったことは決して無い。心の赴くまま様々を愛し、留守がちにしていたとしても、食事の時間になれば帰ってきて己と食卓を囲むのだから。必ずドマに、そして己の元へ帰ってくるという確信を与えられている、それはヒエンの青い心を穏やかに満たしていた。
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    asano5han

    PROGRESS6月に行われるGSMBでお出ししたい兄弟の過去捏造本の進捗です。幼少期〜はば学入学に至るまでを描きたいと思っています。
    とりあえず、ADVのような一人称視点のこんな雰囲気の本、出した〜い!!
    ケツ叩きの意味も込めて公開します。
    多少推敲しましたが、まだベタ打ち状態なので文章色々おかしいです。すみません。
    進捗サンプル 人間は、嫌な記憶の方が鮮明に残りやすいらしい。どこかで、そんな話を聞いたことがある。
     だから、だろうか。
     ルカが家に来た日のことは、今でもよく覚えている。
     
     黒いランドセルを背負い、俺の両親に付き添われ玄関に佇む幼いルカは、俯きがちに申し訳なさそうな顔をしていた。
     シン……と静まり返った玄関は、扉一枚を隔てて外の世界から切り離されてしまったように、冷たくて重い空気が漂っていた。
     ほんの数秒前、扉が開いていた時に見えた外の世界は、春の日差しが地面を暖かく照らしていた。柔らかな風が木の葉を揺らし、遠くから小鳥の鳴き声が聞こえてくるような、そんな麗らかな景色が広がっていた。
     それなのに。扉を閉めただけで、ここだけがその世界から取り残されたみたいに重く、重く、沈んでいる。まるで誰かが泣いたあとみたいな、冷たい空気だった。
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