設定人間観察が趣味。
(小さいころから人と話をするのが苦手でずっと周りの人をみてきた。いつしかそれが苦痛となり防衛反応としてそれを趣味とすることにした。)
どこか落ち着いた様子や口調は演技というか染みついてしまっている。心の底から驚くことがあったら素に戻っちゃうかも。
お金が大好き。
裕福な家庭ではなかったから母親が水商売してた。その幼少期のせいでお金って大事なんだなぁって思うようになったのかも。貯めてるだけで散財はしない。ちゃんと家計簿とかまとめてる。
ちなみに料理はできる。性欲薄いし欲求をどう満たすって言われたら食欲で満たしてそう。
性欲薄いっていうかそういうのあまり好きそうじゃないってイメージがある。普通に母親が家に男連れてきてたから。そういう理由では女は嫌いかも。だからと言って男が好きってわけじゃない。恋愛とか眼中になさそう。

キネマトグラフ今日は少女漫画が映画になったやつをみるのだ。
「喜多はぜったいポップコーン買うよねん」
先輩はそう言って席に座る。体つきが小さいからぴったりおさまる。ピーコートを脱いだ自分は通路側。灰色のシートの手すりにポップコーンとオレンジジュースのトレイをレゴブロックみたいにはめこむ。もうよそ見しても倒れない。
「家で見るときは飲みもんしか持たないじゃん。持ち込むのおれのほう」
「そりゃ映画みてますし」
「今はぁ？」
「し、しーえむ中ですよね。新渡米先輩もハイ、どうぞ」
「なに味」
先のとがった鼻がしゅっと息をする。
「キャラメルです」
喜多は先にガシャとポップコーンカップに手を入れる。
「だって映画館だと楽しいんですよ」
新渡米せんぱいは、ポップコーンをひと粒ずつ食べる。