Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    yooko0022

    DONEマクファーレン家IF④/オリ♀シェラ前提のアンオリ♀/2学年時後半くらい/旧家令息のアンドリューズから見たシェラの『飼い猫』について/シェラ-アンドリューズのあまり噛み合っていない幼馴染関係も好きだけど、この二人は取り巻く環境の倫理観が狂っている/かなりの特殊設定につきなんでも大丈夫な方向け
    【そして訪れない春を知る】 それを響かせたのがシェラであったのならば、まだ耐えられたのだ。


    * * *


     『猫』を飼い始めたという噂は知っていた。
     この場合の『猫』は四足の獣ではなく、二本の脚で立っている。言葉を解す。知能がある。知性がある。浮いた腕で杖すら握る――つまるところは人間で、けれど家名に歴史がない。その一点を理由に彼ら彼女らは旧家の社会において数段劣る存在として見なされる。
     さもありなん。血に培ってきた神秘を宿さぬことが明白なのだ。自らの血を次の世代へと、それも出来る限り強化したかたちで繋ぐ――旧家の魔法使いに課せられた至上命題に能う『価値』を有していない。
     だから『飼い犬』で『飼い猫』だった。ソレには愛玩する以外の用途がない。まともな・・・・魔法使いの侮蔑と嘲弄。それだけで十分だ、愛させてくれる以上の価値などない。狂った・・・魔法使いの執着と愛着。……十と少しを数えた程度の少年であるアンドリューズでさえ時折伝え聞く程度の愁嘆場。
    13550

    いしえ

    DONE吏将一人称文。うらめしT戦あたりの心境描写。画魔が生死さまよってる状態ではっきり今後の生死を明記していませんが、吏将は生き延びてほしいと思っている描写です。
    多少ベクトル違っても似たもの同士の画吏尊いなーと思って書きました。魔性Tすき………
    ロマンチストはかく語りき/画吏 甘ったれた、ロマンチシズムだ。里をぬけてなお、まっとう忍で在ろうとする。――そう、在るしかできないとばかりに。その不器用な真っ直ぐさは、さながら腐った土壌に凜と根を保つ一本の青魔竹だ。曲がりながらも、生ゆ孤碌松だ。白に紅にと咲く冠梅だ。
    『…土壌がどれほど血で汚れていようと、おまえのように馬鹿正直な木も、育つものなのだな』
     いつしか、そんなやりとりを交わしたとき、画魔の返した言葉がわすれられない。本当に、こいつは、ひかりの世界でも忍を続けでもするつもりだったのだろうか?
    『それなら、おまえは、真新しいさら土(つち)だな』
     唖然と、したものだ。新風だとか新雪だとか、そういったものは確かにきく。だが、ゆるりと自然育つ土に、歴然としたあたらしさなどあろうか? あるならそれはごく薄っぺらいうわつらか、それとも、どこまで指すのやら。
    4479