外務省
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TRAINING9/10ワンライお題【合宿・月】
外務省の子女たちの合宿を監督することになった狡噛と宜野座が川の近くで取り留めもなく喋るお話です。
死んだっていいわ 深夜、川べりでのキャンプファイヤーに気を良くした学生が、メディカルトリップでない本物の酒に手を出すのにはそれほど時間はかからなかった。俺と狡噛は確かに彼ら——外務省高官の子女たち——を監督する立場にあったのだが、何せ彼らからは距離があったので、合宿にはしゃぎパーティーを始めた子どもたちに気づくまでには時間がかかった。それに監督といったって、危険な侵入者から彼らを守るのが俺たちに期待される行動であって、健全な合宿生活を送れるようにする教師の役割は求められていない。あくまでも俺たちは彼らの警護を仰せつかっているのであって、その守るべき存在が勝手に馬鹿をやるのなら止める方法はなかった。
ちなみに今回の合宿は、最終考査が終わり、学生生活が終わり、その思い出づくりで行われたものらしい。多くが中央省庁に就職が決まったエリートたちだから本当の馬鹿はやらないだろうが(たとえば違法なストレスケア薬剤に手を出すとか)、アルコールを許すかどうかは微妙なラインだった。酒はその依存性から、現在では煙草と同じく色相を曇らせるものとして扱われている。俺の隣でスピネルを嗜んでいる潜在犯がいい例だ。彼の現在のサイコ=パスは知らないが、俺よりも濁っているのは確かだろう。それに俺も人のことは言えないくらいの色相だ。健全な学生たちが一夜だけ楽しむくらい、見逃してやってもいいのかもしれない。そう思い、俺は報告書に彼らがアルコールを楽しんだのは書いてやらないことにした。
3001ちなみに今回の合宿は、最終考査が終わり、学生生活が終わり、その思い出づくりで行われたものらしい。多くが中央省庁に就職が決まったエリートたちだから本当の馬鹿はやらないだろうが(たとえば違法なストレスケア薬剤に手を出すとか)、アルコールを許すかどうかは微妙なラインだった。酒はその依存性から、現在では煙草と同じく色相を曇らせるものとして扱われている。俺の隣でスピネルを嗜んでいる潜在犯がいい例だ。彼の現在のサイコ=パスは知らないが、俺よりも濁っているのは確かだろう。それに俺も人のことは言えないくらいの色相だ。健全な学生たちが一夜だけ楽しむくらい、見逃してやってもいいのかもしれない。そう思い、俺は報告書に彼らがアルコールを楽しんだのは書いてやらないことにした。
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DONEぽにの旅 奈良県編外務省になったぽには、ピースブレイカーを追って日本全国を探しまわる任務に…。まず訪れたのは奈良県。
※こちらの漫画は時緒さんに取材していただいた内容を基に作成しております。 5
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DONEPP3外務省夢女子設定
外務省のオペレーター。
元薬物依存だったため歯の形がギザギザ。
接し方
よく須郷に噛み付く(物理的に)。
狡噛の事をニコチンと呼ぶ。
宜野座にはダイム寄越せという。
花城を姐さんと慕う。
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TRAINING征陸さんとお母さんのオルゴールと狡噛さんと宜野座さんのオルゴール。学生時代から外務省時代まで続いた二人のお話です。
800文字チャレンジ15日目。
オルゴール(あなたを思うということ) 父が母に贈ったプレゼントの中に、木箱を薔薇模様を彫ったオルゴールがある。母はもう意識を失ってしまったが、まだ薬を打ちつつ俺の世話をしてくれていた頃に、夜中そのオルゴールを鳴らしていたことがあった。エリーゼのために。ベートベンが愛した女のために書いた曲。父は音楽知識も豊富だったから、それを贈ることに何か意味があったのかもしれない。母と示し合わせた何かがあったのかもしれない。けれど俺はそれが分からないで、悲しい曲を夜中、空を見ながら聴く母を、家に帰って来ない父を、そしてそんな両親と暮らしていかねばならない自分を不安に思ったのだった。
だから狡噛がオルゴールをくれた時、それがエリーゼのためにだった時、俺は少し驚いた。何となく父を思わせるところのある彼は(会ったこともないというのに、狡噛は父に似たことをよく言った)、五年目の記念に、と進級したばかりの俺にそう言った。俺はいつものようにあたふたしてしまって、ちゃんと答えられなかったと思う。でもそれをもらった時、俺はもしかしたら、二人に別れが来るかもしれない、と思わずにはいられなかった。狡噛を思って、空を見上げながらオルゴールを鳴らす時が来ると思わずにはいられなかった。そして数年後に、それは現実となったのだった。
936だから狡噛がオルゴールをくれた時、それがエリーゼのためにだった時、俺は少し驚いた。何となく父を思わせるところのある彼は(会ったこともないというのに、狡噛は父に似たことをよく言った)、五年目の記念に、と進級したばかりの俺にそう言った。俺はいつものようにあたふたしてしまって、ちゃんと答えられなかったと思う。でもそれをもらった時、俺はもしかしたら、二人に別れが来るかもしれない、と思わずにはいられなかった。狡噛を思って、空を見上げながらオルゴールを鳴らす時が来ると思わずにはいられなかった。そして数年後に、それは現実となったのだった。
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TRAINING監視官時代から外務省時代まで。変わったことと変わらないことがある二人の話。
800文字チャレンジ10日目。
抱きしめたい(雑踏) 俺たちを知らない人しかいない雑踏の中で、不意に抱き締められることがあった。信号が赤に変わって、立ち尽くすしかない時に、彼は後ろから俺を抱き締め、甘えるように鼻をこするのだった。周りの人間は何も言わない。だって俺たちはただの通りすがりで、狡噛慎也と宜野座伸元が抱き合っているなんて、誰も知るところにないから。あの時、狡噛が何を考えていたのかは分からない。ただ見知らぬ誰かに俺を自分のものだと主張するのが、彼の幼い独占欲であることは分かった。でも、俺なら自分を知る人の前でも抱き合えるのに、彼はそうではないらしい。
「あなたたちって、本当によくくっつくわね。そんなに寒いの? 部屋の温度を上げましょうか?」
935「あなたたちって、本当によくくっつくわね。そんなに寒いの? 部屋の温度を上げましょうか?」