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    夫婦漫才

    あんごろうまる

    MOURNING意地悪な司会者を上手くかわそうとして夫婦漫才を披露するユキモモの話。
    ※意地悪なモブが出てきます(ユキに女性関係はあるのかと聞く程度)
     明るいポップなスタジオの真ん中に千と百は立っていた。今日は音楽バラエティ番組にゲストとして出演させてもらうことになったのだ。
     今Re:valeは波に乗り始めている。新人俳優として頭角を現し始めた千、ゲストたちへの話の振り方が絶妙でバラエティ番組で評価されだした百。正反対の二人ではあるが、今は絶賛夫婦漫才で売り出し中だ。きっかけは些細なことだった。
     ある日いじわるで有名な司会者が千に対して「アイドルとして売り出してるけど、実は何股もしてるんじゃないの?」と話を振ってきたのだ。案の定、千は不愉快な感情を隠そうともせず綺麗に整えられた眉をスッとひそめてしまった。
     音楽で評価されたい千は自分の顔のおかげで女性との関係が途切れないと言われることをひどく嫌っているのだ。百の知る限り、今の千は誰とも付き合っていない。普段帰ってきた千からは甘ったるい香水の匂いがしないからだ。たまにそういう匂いがする時があるが、千いわく「断りも無しにマーキングされた」と不機嫌な様子を隠そうともせずシャワーを浴びに向かうことはよく見る光景だった。もし付き合ってるなら、とっくに岡崎から怒られている。
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    pypy_ym

    MOURNING夫婦漫才のはじまりについて考えてみたやつ。「前から聞きたかったんだけど、君たちのあの路線、どうやって決まったんだ?」
     心の底から疑問だといわんばかりの万理の声が、千と百の鼓膜を刺激する。あの路線、というとまあ間違いなく夫婦漫才ネタのことだろう。万理とやっていた時の千は間違ってもあんなネタに乗る人間ではなかった。それが百と組みはじめて、イケメンだとかダーリンだとか呼ばれて微笑むようになっている。
     千は意地悪くにやにや笑って万理を見据える。
    「万、僕たちが出てるテレビは全部見てたって豪語してなかったっけ?」
    「気付けばああなってたろ。裏話を聞きたいんだよ」
    「へぇ」
     ちらりと百に視線をやった千は、「あれって結局どっちなの?」と百に確認を取るような言葉を発し、百はうーん、と腕を組んで悩みはじめた。
    「原因はオレで、発破をかけたのがおかりん、って感じ? 最終的にゴーサインだしたのもおかりんだったじゃん。ユキが嫌ならやめるつもりだったけど、ユキは乗ってきたし」
    「僕とモモとおかりんの総意だよね」
     おかりん、Re:valeのマネージャーである岡崎凛人の名前が出て万理は目を瞬かせる。小鳥遊事務所のIDOLiSH7のマネージャー、小鳥 3088