家族の肖像天堂弓彦が信仰する宗教には実に多くの聖母子像が芸術作品として残されている。手垢の付いたモチーフでありながら聖母に抱かれる神の子という構図は今後も未来永劫描き続けられるだろう。それは何故か。
幼子を抱いた友人を目の前に天堂は自信を持って答えられる。
それはとても美しいからに他ならないからだ。
そして天堂はこうも思う。聖家族も同じくらい美しいと。

友人である獅子神敬と村雨礼二は2年ほど前に家族となった。二人が結ばれるまでにはカラス銀行の壊滅など穏やかではない出来事が数多にあったが、今は割愛しよう。とにかく紆余曲折あった二人ではあったが半年ほど前に第一子にも恵まれ今は順風満帆な生活を送っている。
そして子どもが生まれてからは賭場という共通の場がなくなったことと獅子神の負担になるから、と村雨より接触禁止例を受けていたため、天堂を含めた真経津晨と叶黎明は本日初めて幼子と相見えることになったのだ。

【ネタツイ】ビタミンの日🏠ビタミンの日リオヌヴィ⛓🌧。いつものメリュに頼まれて同棲始めた時空のやつ。
⛓殿だけに食事全部作るの任せるのは…って、言い出したので、一緒に練習始めることに。とりあえず果物剥く練習から始めようということで、バブ●オレンジで挑戦。

上下の切り落としは、やや実も多めに持っていかれた気がするが許容範囲。
林檎剥くようにクルクル回すのに挑戦してみたら、手とナイフが滑って一瞬指が飛んだようにみえて、めちゃくちゃ焦る⛓さん。
「ゆ、指！！！」
「指？」
ちゃんと全部あってホッとする⛓さん。

同じ剥き方続けるのは見てる方の心臓が持たないので、台に置いて上から下に実のラインにそってナイフを滑らせる方法に変更。実がかなり皮にくっついて持っていかれる。「あ…また、実が…」「大丈夫、食べるとこ残ってるから」とフォローする⛓さん。

ある日、庚子は父に呼ばれた。
丙江が駆け落ちしたことで時貞は危機感を持ったようで、二度とこのようなことが起こらないようにと姉妹全員がきつく言いつけられた。
おそらくそれだけでは不安なので、監視役として許嫁を決められるのであろうと庚子は踏んでいた。
前世では何人かの候補が決められており、その中から選ぶように言われた。
…表面上は。
時貞は裏鬼道との関係をより強固にしたがっており、その長である長田と婚約することは半ば決定しているのと同じようなものだった。
そうして前世の庚子は長田と婚約した。彼が姉と想い合っていることを知りながら。
庚子が記憶を駆使して立場を作ろうとしてきたのも全てこの時のためだ。
たとえ仲良くなった孝三や丙江を見捨てることになってでも、庚子は長田とだけは結婚したくなかった。