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    ue_no_yuka

    DONE参拾玖

    ようみつシリーズ、これにて完結です…!!
    ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。メリハリもなく、説明不十分で、だらだらとただ長かったこの物語、大変読み苦しかったと思います。最後まで読んでくれてマジ感謝。
    分かりにくかったところはXで呟いたりして補完していければと思います。

    最終話と言いつつ、皆様の理解の程度と需要によっては奥原氏編を書こうかと考えています。
    ツルの嫁入り 季節は春になり、鍜冶屋敷のある山もすっかり春模様。山道にはフキノトウ、福寿草、つくし、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、カタクリ、スミレ、カラスノエンドウ、勿忘草、色とりどりの花が咲き乱れていた。雪解け水が心地よい音を立てて勢いよく沢を流れ落ち、その水の中ではメバルやワカサギが冷たい水を求めて遡ってきていた。他の動物たちも活発に動き始め、鍜冶屋敷の周りにもよく、鹿や兎、狐に狸、たまに熊もやって来た。屋敷の研場の近くにある池には、カルガモが雛を連れて泳いでいた。北国に生きる人々にとって、冬の間空が晴れることはほとんどなく、どんよりと落ち込んだ中寒さに凍えながら、今か今かと心待ちにしていた春の到来は、きっと他県で生まれ育った人々が考える倍以上は、希望に満ち溢れ、心が晴れ渡り、気分が高揚するものである。東北出身の演歌歌手・千昌夫の「北国の春」は私の最も好きな楽曲のひとつだが、あの曲は北国で生まれ育ったからこそ沁みるものがある。
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    RemFeline

    DONE『N県の山奥に極上のキノコソバを出す店があるらしい』
    私はそんな都市伝説を頼りにバイクを駆っていた。

    とある山奥で一人の女バイカーが見たものとは。
    キノコとバイクと都市伝説 あのトンネルには地縛霊が出るだとか、あの橋の上では首なしバイカーが並走してくるだとか、バイカーの間で語り継がれる都市伝説は枚挙に暇がない。
    バイクを駆るのは好きだけど、幽霊のたぐいが苦手な私はそういう都市伝説については聞こえないふりをしてきた。でも、私が一つだけ記憶に残している都市伝説がある。

    『N県の山奥に極上のキノコソバを出す店があるらしい』

     私にとってのツーリングはもちろんバイクで走ることが第一目標だ。そして、第二目標が『食』。バイクで美味しいものを食べに行く。それが私のツーリングだ。そんな話を聞いてじっとしていられるだろうか。いられないだろう。
     そうして私は週末になるとN県に向かってはしらみつぶしに山々の道を駆けていた。まだその蕎麦屋は見つかっていない。捜索が空振りに終わっては目についた店にふらっと入って、ソバの気分の口にそれ以外の料理を詰め込んでいる日々だった。その虚しさに疑いの心が芽生えていた。イマドキ地図で事前に探せない店なんて本当にあるのだろうか、所詮都市伝説なのだろうか。
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