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    姉妹

    はるつき

    DOODLEちーとど。
    藤堂姉妹に外堀埋めるどころか塀まで建てられて逃げられなくなった話。
    どうしてもFAの一環としてシルバニアがカバンから出てくるあおいちゃんエピソードを入れたかった。
    両片思いが強制的に両思いになるちーとどの話日曜日の昼下がり、藤堂家に千早は手土産を持って訪れた。
    何度も来ているはずなのに緊張した面持ちでインターフォンを鳴らす。
    「はーい」
    直ぐに可愛らしい少女の声がしてがちゃりとドアが開いた。視線を下げた先には藤堂の妹が向日葵のような笑顔で千早を出迎えていた。
    「しゅんくん!いらっしゃい」
    「こんにちは×××ちゃん。これみんなで食べてください」
    少し屈んで目線を合わせて紙袋を差し出す。小さな手が嬉しそうに受け取って胸に大事そうに抱えて姉に報告に行く背中を見送るのと入れ違いに本命が現れた。
    「別に気ぃつかわんでいいのに。上がれよ」
    「家にあった余り物ですからお気になさらず」
    部屋に先に通されたかと思うと息をつく暇なく部屋のふすまがすっと開いた。視線を向けると妹が小さな両手いっぱいにお菓子と女児向けの玩具を抱えて入ってくる。躓きかけたのが見えて思わず手を差し伸べた。どうにか転ばずに済んでテーブルにお菓子をそっと置いて、妹は千早の膝の上に腰を落とす。だいぶ懐かれている事実に千早はじわりと頬が熱くなるのがわかった。
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