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    もず❤️‍🔥

    PASTカイムの故郷のモブ女視点の話「美しい村の話」https://poipiku.com/3805122/8157818.html のパイロット版のような昔書いた短編が出土したので載せます
    罪人イベを経た今となっては完全に無いルートの話です
    漫画のプロットのつもりで書きだして途中で方向転換したので冒頭にその名残があります
    この後異端狩りで親を亡くした「悪魔の子供」を引き取るヤバ孤児院編に突入します
    ある道化の独白私はカイム
    御身にお仕えする事を、お許しください

    私は辺鄙な辺境の村で生まれ育ちました
    内気で病弱な私は近所の憎たらしい餓鬼ども、失礼、子供たちに馴染めず仲間外れにされていました

    カイムの母「あなたたち ちょうどクッキーを焼いたの よかったら食べて?」
    近所の悪ガキ「………」
    カイムの母「うちのカイムをよろしくね」
    黙ってクッキーを持っていくガキ「………」

    クッキーを食べたガキ「! うまっ!!」
    サブレー「うちのかーちゃんのよりうめぇ!!」

    サブレー「ただいま!」
    サブレーの母親「おや そのクッキー誰からもらってきたんだい?」
    サブレー「カイムのおばさん!すげーうまい!」
    サブレーの母親「………そう」


    母ひとり子ひとり 生活は楽ではなかったが、母はよく他人に施した
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    あもり

    DONEシャディミオの年少期の幻覚話です。12話前、公式が何も出さないので、幻覚が熱を持ったので書きました。
    シャディクが孤児院に拾われる前は、雪国で過ごしていた幻覚設定があります。
    シャディミオ、というかシャディク+ミオリネみたいな雰囲気ですがシャディミオです。
    幻雪「シャディク、あんた雪って見たことある?」
     薄ら寒い大人たちの挨拶の猛攻を上手く抜け出し、外の廊下を歩いていた時のことだった。久しぶりにパーティで出会ったミオリネは少しだけ背が伸びていて、背中に流れた髪の毛が歩くたびに揺れている。前を歩く彼女が視線を向けた先は、無駄に大きい窓の外は無機質な鉄の要塞、時折常夜灯が点滅するのが見えるだけだ。夢見る天然資源は何ひとつ映っていない。

    「映像だけなら」
    「そう」
     彼女がわずかに肩を落とした。意地を張る癖のある幼馴染にしては、珍しいほど分かりやすい仕草だ。
    「……何かあったの、ミオリネ」
    「うるさい」
    「俺は君の質問に答えたよ」
     質問にちゃんと答えなさいよ、と先日の喧嘩で目の前の彼女から貰った言葉をそのまま返す。ミオリネも思い出したのか、ぴたと足を止める。意地が悪いのはお互い様だ。ただ、今日は随分と踏み込みすぎてしまったらしい。
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    karrruko

    PAST2022年2月発行のオズフィガ本〈おまえの名と力にかけて〉より、フィガロが見ていた夢としてのパラロイ部、オズフィガがいちゃついている部分の再録です。

    ・二人は「北の国」の孤児院で育った幼馴染みで、色々あって義兄弟になり、シティに引きとられた設定です。

    ・オズにとってフィガロの夢を叶えることが第一義で、そのためにまずはハッカーとして金を稼ぎ、それを元手にして武器商人になろうとしています。
    「おまえの名と力にかけて」より一部再録 日曜日の早朝、午前五時十五分。
     オズは滲む涙と共に目を開けた。
     視界には夢がなまなまと鮮やかで、我知らず手を差し伸べる。救いたいのは砕けた欠片、ひとりの男の残骸だ。
     ありし日そのままの微細なきらめき。きめ細やかな乳白色とくすんだ青、血の色の赤、冬の海の灰色と大地の緑。正気ではうまく知覚できない奥底に、それら破片たちは荒れすさびぶつかりあって、大きな渦を巻いている。互いに身を砕き、磨り潰しあって、少しでも早くこの世から消滅しきってしまおうとしている。
     だが、そんな凄絶さと裏腹に、あたりには何の響きも聞こえてこない。一切の介入は静寂により拒絶されている。
     無音の内に滅していくのは、望みか意地か絶望か。
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