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    尾形

    hairia_hairia

    DONE学パロ 片思い 堀辰雄『燃ゆる頬』の一部を改作
    実験室  昼休みも中頃に差し掛かっていた。お気に入りの場所というのは、人を穏やかに上機嫌にしてくれる。それが、ここ植物実験棟の東側にある花壇である。その中を一人で佇んでいると、花壇に咲いてある名も知らぬ花々から、一匹の蝶が飛び立つのを見つけた。蝶は、足に濃橙色の花粉を付けて、愛らしく飾り立てているように見えた。私は、着飾った蝶が次にどの花へゆくのかを、見てみたいと思った。しかし、蝶はどの花にも止まらず、しかも、どの花を選べばよいか、迷っているようにさえ見えた。私は、もどかしい気持ちで眺めていた。…次の瞬間、花々が蝶を自分のところへ誘うべく、一斉に花弁を開き、自らの雌蕊をくねらせ、見せつけている…気がした。私は、その姿態に驚きと気後れを感じたが、気が付けば高揚感に包まれ目を奪われていた。そのうち、蝶はある花を選び、着飾った足でその柱頭にしがみついていた。体を託すように止まる蝶に、花は自ら花弁を動かして蝶をやさしく愛おしむよう包み込んでいた…。やがて、蝶は花を振りほどくように、飛び立っていった。気が付けば、その場には私ひとりきり…先ほど感じていた高揚感から、なんとも低迷な居心地の悪い気持ちへと変わっていた。折角のお気に入りの場所でこんな気持ちになるなんて…暗澹とした気持ちを払拭すべく、目の前の受精を終えたばかりの花をぐちゃぐちゃにしたくて、手に取ろうと…
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    hairia_hairia

    PAST
    衣装お試しにあげてみた。現パロハロウィン X投稿済み

     尾形が言った、ハロウィンなんて行事は聞いたことはあるがやったことがないと。皆で着飾って楽しく過ごすお祭りだよと、微笑みながら説明してみた。クローゼットから出してきた衣装を見て、そんなもんか…と着始める尾形。頭からすっぽりかぶる白のゴーストマント、首に赤い鈴をつけた黒猫の着ぐるみ、骸骨が全身にプリントされた黒の全身タイツ、白黒ボーダーの囚人服、アラブの石油王など、何でもありで着こなしてくれる。いつもなら、文句の一つも言う尾形が、今日は静かでむしろ従順あるいは楽しそうである。それならば…ハロウィンでは大人シックな恰好もするんだよと、クローゼットの最奥から、袖口にフリルをあしらった白いシャツ、カーキ色のベスト、黒みがかったグレーのコートに同色のブリーチズの中世悪魔風衣装を出し、尾形に渡してみた。戸惑いながらも着始める尾形。着終わった彼は、こちらを振り返りどうだと言わんばばかりの表情で、前髪を後ろへ撫でつける。その姿は、最初から着ていたようにしっくりとなじんでいた。しかし、その姿に不可解を覚える。尾形は編み上げの黒いブーツを履いている。ここは家の中ではと思ったが、それ以上に頭とお尻にあるものは…なに?そんなものまで、揃えたむしろ渡した覚えはないと。目線を尾形の顔に向けると、彼の深く黒い瞳がじっとこちらを見据えている。
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    さらっと

    DONE別にR18ではないけれど何が起こるか分からないからここに入れました。
    現パロ尾月。『疲れている時の人間の行動力って、侮ったらいけない』
    ほのぼのと見せかけた意味不明なギャグ。そして下ネタが多めです(?)。すみません、ここにはカッコいい尾形もカッコいい月島もいません。社畜が過ぎると人間って壊れるよねっていう話をぽっきーの日に便乗したら落下しました。
    二番煎じすみません、何でも許せる方向けです🙇
    尾月『疲れている時の人間の行動力って、侮ったらいけない』「『わたしきてぃ。今あなたの家の最寄り駅にいるの♡』」
    「…………」
     土曜日の二十二時すぎ、休日出勤で疲労がピークに達したと思われる恋人・尾形から、裏声を使った謎の嫌がらせ電話が入った。あぁ、またか。またか、というのはこれが初めてではないという事だ。
     俺達は悲しき社畜道を謳歌しているため、その反動で定期的に壊れる。俺もこいつほどではないが、仕事の繁忙期で残業が多発するほど、妙なテンションでこいつに絡む事があった。しかし今回の奇行ほどではないと思う。……ま、いつも酒が入っていて覚えてはないが。というかなんだ、なんで裏声で自称きてぃなんだ。
     無言で面倒くさいという空気を垂れ流す俺に対して、尾形の追随が始まった。
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