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    平成

    湯豆腐

    PROGRESS流洋があんまりに大好きすぎてとりあえず書き始めたものの進捗です。平成設定。土地勘は無いので、薄目で見てもらえたら嬉しい。
    ぷらいべったーに一度上げたものを少し変更&追加しております。人称間違いなどあれば都度直していきたい所存。

    映画未見の民&原作勉強中。
    雨の日、星の日 夢を見ていた。
     ふかふかで大きな黒い猫が、水戸の顔を覗き込んでぼたぼたと泣いている。そう、黒猫の金色の目玉からは大粒の涙が次から次へと湧いてくるのだ。可哀想で、でも可愛くて、その涙を拭ってやりたいのにどうしてだか腕が動かない。黒猫は水戸をすっぽり覆ってもあまりあるほどに大きい。
    「泣くなよ」
     にゃあ。
     猫は返事をした。そして慰める水戸なんてお構いなしにますます涙をこぼす。
     にゃあ、にゃあ。
     だって、だって。
    「だって、オメーが」

     オレに、なんにも心配させてくれねーんだもん。



    ◇◇



     流川の初恋が始まったのは、高校一年生最後の土曜日の午後だった。前日までの花冷えが嘘のようにうららかに晴れた日だった。練習は午前中で切り上げられたのに、まだもっとバスケがしたいと流川は思った。跳びたい。もっともっと、思い切り走りたい。今日が自分にとって居ても立っても居られないほどのとびきり「良い日」なのだと言う予感がした。
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